池谷実悠アナウンサーが語る「東京2020オリンピック」の感動と舞台裏

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皆さん、こんにちは! テレビ東京アナウンサー・池谷実悠です。月に1回、私の推し事(※推しを愛するための活動)をご紹介させていただく連載「池谷実悠の"推し事"備忘ログ」。第9回は、「東京2020オリンピック」についてお話しさせていただこうと思います。

「東京2020オリンピック」では、ありがたいことにキャスターを務めさせていただきました。まさか自分がこんな大役を任せていただけるとは想定していなかったので、アナウンス部で「期待何割?不安何割?」と聞かれた際、「不安10割です」と答えてしまったのをいまもよく覚えています。驚きのあまり、喜びを感じる余裕すらありませんでした。

そこからは、どの選手にもインタビューができるように、ひたすら知識を入れる努力をしました。メインキャスターの竹﨑由佳アナウンサーと手分けして資料を作り、それを一緒に覚えるという作業を繰り返しました。

ただ、開催地が決まってからずっと選手たちを追い続けているアナウンサーの方、記者の方が大勢いる中で、「本当に私でいいのか…」という不安はずっとありました。こう見えて、石橋を人より多く叩いて渡るタイプなので、心の中はプレッシャーで押しつぶされそうだったのです。初めてのことが多く、オリンピックの楽しさを体感するというよりも、「失敗せずにできるかどうか」という心配や不安の方が強かったように思います。準備期間が短かったこともあり「とりあえずやるしかない!」という気持ちでした。

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勝っても負けてもハグして喜びや悔しさを分かち合う…そんなオリンピックの本質を見た気がします

最初に現場取材させていただいたのは競泳。大橋悠依選手が「女子400メートル個人メドレー」で金メダルを獲得した場面でした。オリンピックの取材をしているアナウンサーの皆さんはスタジオにいることが多いため、目の前で金メダルを獲得する瞬間を見ることはなかなかできないらしいのですが、そんな瞬間に立ち会うことができたのはものすごく幸せなことでした。大橋選手はもちろん、コーチやスタッフの皆さんが喜ぶ姿を見て、ものすごく感動しました。

会場に行くことはできませんでしたが、水谷隼選手&伊藤美誠選手が出場した「卓球 混合ダブルス決勝戦」は、家で立ち上がって応援しました。テレビ東京では、「世界卓球選手権」(※ヒューストン大会は2021年11月23〜29日に開催)を放送してきたこともあり、スポーツ局の誰もが日本の金メダルを心待ちにしていました。自宅のテレビの前で応援しましたが、「スポーツ局の皆さんが喜んでいる!」と想像したら感動もひとしおで…。スポーツの絆を感じることができました。

スポーツクライミングなどの新競技も興味深かったです。クライミングは試合を取材することができましたが、垂直の壁をまるで走っているかのような速さで登っていきます。とにかくそのスピードに驚きました。今回のオリンピックで、クライミングのエンターテインメント性を知った方も多いのではないでしょうか。

オリンピックを取材させていただき、自分でも、今後いろんな競技を体験してみたいと思うようになりました。実際に体験すると、選手たちの技がいかにすごいのかがわかりますし、そういう観点で競技の魅力を伝えることができたらいいなと思ったのです。残念ながら、「パリ2024オリンピック」の新競技には選ばれませんでしたが、いつかパルクールにも挑戦してみたいです。絶対に面白いと思います。

そしてもう一つ! オリンピックでの“推し事”のお話を…。閉会式で、宝塚歌劇団の皆さんが国歌斉唱しましたが、なんとなんと、私の推しである星組の礼真琴さんが登場したのです! 1ショットでアップが映し出されたとき、自分の中でありえないくらいの盛り上がりを感じてしまいました(笑)。袴姿も歌声もとても美しかったです。

実はオリンピックでキャスターをやることが決まった際、礼さんに「不安でいっぱいですが、公演を観て元気づけられました!」というお手紙を書いて出したのです。自分の中で勝手に「奇跡だ!運命だ!」と感じてしまい、本当に感動しました。

そして、全編を通して“すごくいいな”と思ったのが、選手たちがお互いを称え合う姿。勝っても負けてもハグして喜びや悔しさを分かち合う…そんなオリンピックの本質を見た気がします。本来であれば、コーチや選手の身近な方々に取材をし、こぼれ話を聞くなどできたと思うのですが(この連載でもお話ししたかったです!)、コロナ禍とあり、関係者に接触することに対してはかなり制限されました。ちょっと楽しみにしていた他国の報道陣とのピンバッチ交換もできませんでした。

オリンピックをよく知る先輩いわく「本来のオリンピックはこんなものじゃない。観客がいてもっと盛り上がるし、世界のお祭りみたいな雰囲気が味わえるんだよ」とのこと。無観客でもこれだけ気持ちが高揚して盛り上がるのに、それ以上とは…。今回、オリンピックの素晴らしさを体感することができましたし、やはり今度は“観客を入れたオリンピックを味わいたい”という気持ちがとても強くなりました。歓声が聞こえるオリンピックをこの目で観て、皆さんにお伝えしたいです。

閉会して時が経った今、改めていい経験をさせていただけたと思っています。もしもまた、オリンピックに携わらせていただけるとしたら…たくさん勉強をして、少しでも大会を楽しめる自分になっていたいです。そのためにも、従来の枠にとらわれることなく、アナウンサーとして様々な経験を積んでいきたいと思っています。

池谷実悠アナウンサー プロフィール】

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▲25歳の誕生日をお祝いしてもらいました!

1996年9月18日生まれ。静岡県出身。O型。2019年、テレビ東京に入社。「~夢のオーディションバラエティー~ Dreamer Z」(10月24日(日)スタート! 毎週日曜夜9時)、「よじごじDays」(水、金曜)「追跡 LIVE!SPORTS ウォッチャー」(火、土曜)、「日経ニュースプラス9」(火曜、BSテレ東)、スポーツ中継(野球、ゴルフ、競輪)、「デカ盛りハンター」(ナレーター)、「日経テレ東大学」「いけ!いけ!森薗卓球」を担当。