スミスの本棚   『 ブックデザイナー ・ 名久井直子さん  』

歌人・穂村弘さんからのご指名は、

装丁家(ブックデザイナー)の名久井直子さん。

 

著名な作家から 「ぜひ名久井さんの装丁で・・」

と、指名の絶えない人気の装丁家。 

装丁への執念から、「仕事の鬼」と評されることも多いそうです(笑)

 

 

そもそも装丁とは?

 

本の表紙や帯のデザインはもちろん

紙の選別、文字の書体や行間・・・など

内容以外、本にまつわる全ての作業を請け負うのが 名久井さんのお仕事。

私達が本から受け取る空気感は、

実は装丁家の皆さんが 作り上げているようなものなんですね。

 

作家が書き終えた原稿を読みこみ、

湧き上がる感覚を総動員して、世界観を表現していきます。

『 いい所を最大限汲み取って、やれるだけの事は全て施してあげたい・・ 』

本の母親になったようだと語る、名久井さん。

 

 

ご自身も不思議なオーラを纏う とても穏やかな方。

名久井さんが手がける本は、どれも個性的で、

書店でも、思わず手に取りたくなるような 素敵な装丁ばかりです。

 

「名久井直子 装丁本」 として書店にコーナーが出来るほど、

名久井ワールドは拡大中。

 

そんな 売れる本を生み出している名久井さんが

お薦めする本とは 一体どんなものなのでしょうか?

 

 

これまで見たことの無いような 可愛らしい装丁の本が出てきました!

 

  『 ネジマキ草と銅の城 』        パウル・ビーヘル  著

 

1964年に発表された オランダ児童文学の一冊。

オランダの子供達なら誰もが知っている児童書ということで・・

ストーリーも、読了後の余韻も最高の一品でした!

 

死にそうになった王様を救うため、まじない師が

心臓を動かす「ネジマキ草」を探す 冒険に出ます。

その間、心臓に刺激を与え続けるために、毎晩様々な動物達が

王様のもとを訪れては、素敵な物語をプレゼントする、というお話。

 

 

まず驚くのは、かなり手の込んだ装丁☆   

( 左は本で 、右は本のカバー )  

 

 

こちらの装丁、実は名久井さんが手がけたもの。

 

他の仕事と平行して、1年以上かけてゆっくりと

細部にまでこだわって作った、とても思い入れのある絵本だと言います。

 

中を開いてみると・・・

挿絵は、名久井さんが大好きな村上勉さんに自らお願いし、

挿絵と本文の配置のバランスなど( ↓ )

とにかく、徹底的にこだわって仕上げたそうです。

こんなに贅沢な装丁の児童書は、見たことがありません。

 

 

色んな動物達の物語が 次々と語られていきますが、

最終的に、全ての話の内容や時間軸がバチっと合って、

感動的なフィナーレへ。

 

著者の、物語に対する強い愛情。

その完璧に設計された「枠物語」の美しさは、圧巻です。

 

『 子供達が大人になった時に、すごく心に残っている本だと思います。』

                                 (名久井さん)

 

 

子供への読み聞かせはもちろん。

毎日、情報の洪水に振り回され、何かと気が散漫している

ビジネスマンにも 読んで欲しいと言います。

 

『 王様の物語に集中し、他の事は考えない・・

  そんな時間を持つことで、気持ちが少し楽になるのでは。』 (名久井さん)

 

ビジネス書の間に、たまには絵本もいかがですか?


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http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/blog/smith/