ファッション評論家 ・ ピーコさんからのご紹介、
私生活でとても仲がいいという 女優の吉行和子さんです。
映画やテレビでは様々な役柄を演じ、
常に落ち着いた雰囲気が印象的な 吉行さん。
実際お会いしてみると、そのたおやかな語り口に、
「こんな風に歳を重ねられたらいいな・・」 (森本)
すっかりファンになってしまいました。
吉行さんは幼い頃から本を読んで育ち、
今の役者という職業を支えているのも、本の存在だと言います。
本の中の様々な人物が、女優として役柄を演じる上での
力やヒントを与えてくれるのだと。
『 本は一番面白い世界 』 だと話す吉行さんが
ご紹介して下さったのが、こちら。
【 深沢七郎 外伝 】 深海均 著
小説 「楢山節考(ならやまぶしこう)」 の作家として知られる
深沢七郎の 数奇で破天荒な生涯を、元担当編集者がまとめた一冊。
私自身、深沢七郎さんについて ほとんど知らなかったこともあり、
「 こんなすごい人が実在したんだ!」 と驚きの連続でした。
もし、今彼が生きていたら・・・
今の日本にどんな言葉を発し、行動を起こしていただろう?
そう思わずにはいられません。
小説家でありながら、自ら農場を作り、自給自足の生活へ。
常にタブーに挑戦しては、己に対する正直を貫いて生きた方。
《 生きて伝説、死して尚 伝説 》
この帯の言葉が物語るように、亡くなった後も
多くの人を巻き込んで動かし、書籍として語り継がれ・・
『 彼の魂は まだ生きていて、私達を叱咤激励してくれているのよ。
今のコロコロ変わる政権、原子力発電所の惨状に対しても、
絶対何か行動を起こすだろうって、思うんです。 』 (吉行さん)
誰にも媚びることなく、常識にも囚われず、孤高の存在だった 深沢。
『 この正直さが、私は一番素敵だと思う。
正直だと生きづらい面もあるけれど・・・
やっぱり正直であることが 生き方として一番よね。 』(吉行さん)
この 「深沢七郎 外伝」は、
決して 「このように生きなさい、こうすれば道が開けますよ」
と、教えてくれるハウツー本ではありません。
深沢七郎、という男の生き方を知ることで、
私達は人生について考え、多くのことを学ぶのだと思います。
〇 正直であること。
〇 人のせい、世の中のせいにしないこと。
〇 苦しいことは、生きるエネルギーに変えていくこと。
そんなカッコいい生き方を、私は学びました。
2014年 深沢七郎 生誕100年を迎えます。
無骨な深沢の生き方に、改めて光が当たるかもしれません・・・