スミスの本棚 『作家・ねじめ正一さん』

女優・吉行和子さんからのご紹介。

 

俳句の会で親交があるという 作家の ねじめ正一さんです。

 

詩人・作家として活躍するかたわら、

阿佐ヶ谷で 『ねじめ民芸店』 を経営。

個人的な趣味で集めた和雑貨などに囲まれている空間が

一番ホッとするということで・・

今回はこちらでインタビューをさせて頂きました。

 

 

ねじめさんと言えば。

 

「高円寺純情商店街」 などの小説で有名ですが、

それ以前から、詩人としても活動。

かなり過激で前衛的だった ねじめさんの詩は、当時も話題になりました。

「小説」と「詩」。

一見、相反するような2つの分野においても、

ねじめさんの圧倒的なパワーが貫かれていたのは

《 抜群の言葉のセンス 》 です。

 

 

そんな 言葉を巧みに操る ねじめさんが、意外にも 

 

『 意味の無いことが面白い・・ 』 と薦めてくださったのが、こちら。

 

 

  【  ゴムあたま ポンたろう  】    長 新太  著

 

 

このコーナーが始まって以来(おそらく)2回目の絵本です。

( 1人目は、偶然にも 同じく詩人の谷川俊太郎さんでした。)

 

ゴムあたま ポンたろう・・・

その名の通り、頭がゴムでできた少年が主人公です。( ↓ )

 

 

このポンたろう! (名前も意味不明・・)

正体も、飛んでいる理由も分からないまま

様々なモノに当たっては、ポーンと跳ねながら旅します。

 

鬼の角や、バラのトゲ、お化けやハリネズミにぶつかっては

飛んで行き、海を渡り、最後はゴムの木で眠りにつきます。

 

≪ ゴムあたまポンたろうは、やすむことにしました ≫

 

という言葉で絵本は終ります。

 

「 えっ、これで終わり ?」 思わず声にしてしまったほどです。

 

『  不条理とか奇想天外とかいう言葉で括ることもできるが、 

   理屈ではなく、見たままの面白さをきっちり受け止められるかどうか

   それが、大切なんだ。 』 (ねじめさん)

 

 

思わず、ハッとしました。

 

普段、ハウツー本や自己啓発本ばかりで

言葉や文章に意味を求めたり、そこに答えを探そうとしたり・・・

視野や考える幅が狭くなってしまっていた 私。

 

心を白紙にして、受け止める余裕が無くなってしまっていたこと。

 

意味も理屈もつけられない、このドキドキ感、不安感、楽しさを

純粋に味わう体験を、すっかり忘れてしまっていたんですね。

( 心当たりのある方、多いのではないでしょうか? )

 

常に言葉に深く入り込み、言葉での表現を生業にして

生きてきたねじめさんだからこそ、

「あるがままを受け止める」 大切さも、人一倍感じていらっしゃるのでしょう。

 

 

このような絵本を、子供達だけではなく大人にも

ぜひ触れてほしいと、ねじめさんは言います。

 

『 常識の行き着くところは 膠着。 

  理屈が生み出すのは 妥協。

  成熟さの行き着くところは 汎用。 』 (ねじめさん)

 

紙一重でもある 人間のさが。

まさに、この常識、理屈、成熟と闘っているのが 絵本なのだと。

 

 

心も頭も(ゴムのように)柔らかくして、

        たまにはこういった絵本で、

             解放してあげることも大切なのかもしれませんね☆