スミスの本棚 『映画監督・吉田大八さん』

女優・満島ひかりさんからの ご紹介です。

 

    映画監督、そしてCMディレクターでもある 吉田大八さん

 

 

吉田監督といえば・・

現在公開中の 「桐島、部活やめるってよ」 で話題の監督です。

 

これまでの「スミスの本棚調査」(超個人的ですが)によりますと・・

映画監督の方の話は、異様に面白い。

頭の回転が速い(常に半歩先に意識が向かっている)のはもちろん、

空気を読む力に長け、インタビュアーの意図するところを

瞬時に汲み取ってくださる。

 

なんとも嬉しい取材対象ということになりますが・・(笑)

やはり吉田監督も、その法則に則っていました。

 

 

吉田監督、お薦めの1冊は?

 

『 最近、これからの人生のことも考え始めて、

                 落語にはまっているんだよね。 』 

 

と、監督が取り出した一冊がこちら。

 

 

 

【  落語の国からのぞいてみれば  】      堀井憲一郎  著

 

 

私の周囲でも、「落語」の魅力にすっかりはまってしまった人は多い。

何故でしょう?

実は、著者の堀井憲一郎さんとは面識がありまして

本人に問いただしても解決しなかった(堀井さん、すみません・・)

私のこの疑問。

『 落語って、なにがそんなに面白いの?』

 

まさにこの本が、解決してくれました。

もちろん落語の入門書としてもOKですが、

全く興味が無いという人でも、十分楽しめる1冊です。( ↓ )

 

 

堀井憲一郎さんは、ものしり博士です。

 

どんなジャンルにも詳しい「コラムニスト」として活躍していますが、

「落語」に関しては、もう別格。

彼の落語の知識をフル動員させることで、

現代と江戸時代の 暮らしや感覚の違いをひもといてゆきます。

 

  落語の国=江戸の末ごろの日本

 

江戸時代にタイムスリップして、

生き生きとした生活を(落語を通して)実感することで、

改めて 現代の私達の暮らしって 「本当に幸せなのだろうか?」

問いかけてくれる1冊です。

 

時間の感覚、死生観、お金に対する感覚、

恋愛と結婚観、お酒について・・・

 

江戸の頃は、名前も結婚も自由がなく制約の多い人生だったが

それは、社会が合理的にうまく回っていくための決まり事であり、

皆 それを受け入れていた。

一方現代は、様々な個人の自由はあるが、

その分責任も重く、個人=自我との闘いで苦しむ人も

増えてしまっている。

 

『 自由=本当の幸せ なのだろうか? 』  

 

ちょっと目線を、視点を広げてみることで

凝り固まった「既成概念」を緩めてくれる。

 

『 きっと、人生もう少し楽に生きられるかもよ? 

         って 思ってもらえる本じゃないかな。 』 (吉田監督)

 

 

特に「結婚」についての記述は、目から鱗(うろこ)です。

 

『 恋愛なんて、暇な人がやること。

  結婚は決められた相手(初めて会う人)とさっさとするもんだ。』

 

すごい!!

現代もこんなルールだったら抵抗はあるけれど、

なんだか面白いし、少子化問題も発生しなかったかも・・・なんて。

 

 

そんな200年も前の江戸の生活を、生き生きと、

手にとるように教えてくれるのが 「落語」 です。

改めて、素晴らしい「口承文化」 だと実感しました。

 

落語によって、今を生きやすく捉えるヒントを

     楽しみながら得ることができるからこそ、

           多くの人の心を惹きつけるのでしょうね。

 

 

『 昔と今。

  はたして 生き易いのは、どちらの世界?』

 

便利になったり自由を獲得した分、我々が払った代償の大きさ。

この本を読むと そんなことも考えてしまいます。

皆さんは、この本を読んでどんな事を感じるのでしょうか?

ぜひ 教えて下さい☆