今回のトップインタビューは
「お、ねだん以上。」のキャッチコピーでおなじみの「ニトリ」の似鳥社長
「こんにちは、どうぞよろしく」
さわやかに登場だ
「クールビズだからネクタイはずしちゃったけどいいですよね?」
淡い水色のジャケットを颯爽と着こなす様は、アパレル関係の人のよう。
思わず言った。
「似鳥社長、おしゃれですね~」。
「自分でコーディネートするのが好きでね、ネクタイは200本から300本あるし
シャツもいろいろありますよ、楽しいですよね、色を組み合わせるのは」
ニトリが提案するのは
家のトータルコーディネート。
色や素材感をつなぎ、統一感をもたせることで、
狭い空間を 豊かに表現する「ホームファッション」を提唱している。
社長自ら商品開発に関わって来たというだけに、
ご自身のファッションにもそのセンスが生かされている。
私の服をみて、
「佐々木さん、爽やかにまとめてるけど、そのジャケットのインナーは白じゃないほうがいいですよ。」
「あっ そうですか?
全体にぼやけていますかね?
社長はファッションセンスが抜群だと聞いたので、
これでも気合を入れてきたんですが・・・・。」
「いや、いいんですけど、でも上半身に、もう少し強い色をもってくると、よりいいですよ。」
「なるほどっ。柄ものがいいんでしょうか?」
インタビューはそんなゆる~い会話から始まった
40年前、北海道の小さな家具店だった二トリは今や270店舗以上を展開する
巨大企業に成長した。
しかも25期連続で増収増益という上場企業の中で記録的なの好業績を続けている。
その強さの秘密は、この似鳥社長の強烈なリーダーシップにあると言われる
「40年前 アメリカ行ったときに驚愕してね、
アメリカ人はこんな豊かな生活をしてるのに、日本人はどうして貧しいんだろうって。日本人として『人生』を賭けて日本の暮らしを変えたい。
アメリカのように豊かにしたいと思ったんです。ずーっとその一念でやってきました」
「業績をあげようとか、物を売ろうとは思ってない。
日本の人達は、こんなものあったら喜ぶだろうな、
そう思って物を作ってるうちに知らない間に、売れちゃうんですよ。
業績を上げようと思ってなくても 上がっちゃう。」
企業に付きまとう「業績」という呪縛を打ち砕くほどの信念は
とてもピュアなものだった。
―「日本人の生活を豊かに」
貧しさを知る人間、その苦しさを知る人間だからこそいえる言葉だ
昨今の若いリーダーにはない、豊かさへの「渇望」
これこそ、ニトリの強さなのだろう
失敗はないのですか?
そう聞くと
いや~あるある。たくさん。投資しても実らなかったリ。
でもそれは授業料だから。
そのための授業料はちゃんと取ってあります。
そうでなければ誰もチャレンジしなくなっちゃうからね。
そういってまた笑った。
強い意志が垣間見えた。