アンドロイド研究者・石黒浩さんからの ご紹介
「オリザ」という名前は本名ですか?
まずは気になるお名前の話から伺いました。
オリザはラテン語の「稲」という意味で、「食べることに困らないように・・」
という想いが込められているそうです。
第一印象からインタビュー後まで 決して変わることがなかった
優しく、穏やかな雰囲気。
しかしオリザさんには、何者も崩すことができない
1本の強い芯が通っていることも、伝わってきます。
リアリティーのある演劇へのこだわりで、数々の賞に輝いています。
2009年の鳩山政権の誕生時には内閣官房参与に任命され、
鳩山総理に演説の手法等について アドバイスしました。
間の取りかたから、強調の仕方まで指導したという
鳩山さんの、あの「所信表明演説」。
やはり、これまでの総理の所信表明とは
一味も二味も違うものとして、強く印象に残っています。
そんな平田さんが 『幼稚園の頃からの愛読書』
と紹介してくださった本がこちら。
【 どうぶつ会議 】 エーリヒ・ケストナー 著
1949年にドイツで刊行された この絵本。
作者のエーリヒ・ケストナーは、
作品の中で、生涯 常に「戦争反対」を訴えてきた作家です。
『 子供を守りたい 』
『 平和を愛する気持ちを忘れない 』
『 一番大事なものは、失くしたときに気がつく 』
複雑な問題が絡み合うこの世の中において、
そんなストレートなメッセージが、新鮮に響きます。
物語は、いっこうに戦争や争いごとをやめない人間たちに
業を煮やした動物たちが、子供たちを守るため
動物会議を開くことを決めるところから 始まります。
動物たちは、人間に対して様々な要求を突きつけます。
『 戦争・貧困・革命を二度と起こさない 』
『 国境をなくす 』
『 政府と役人の書類を減らす』
『 教員の給料を増やす 』 ・・・ 結構、現実的で驚きました(笑)
様々な手段を講じて、この要求を受け入れさせることに成功します。
お陰で、世界は平和に、子供たちの未来は守られ、一件落着。
ユーモアも交えながら、動物の生態や特徴も 学ぶことができます。
50年以上も前に書かれた作品でありながら、
大人たちは、未だに大切なことに気がついていないのかもしれません。
争いの無い 平和な世界・・・
このメッセージを、子供たちに伝えていかなければいけません。
大人にこそ読んでほしい絵本です。