スミスの本棚 『バイオリニスト・川畠成道さん』

書家・紫舟さんからのご紹介

 

  紫舟さんも、その音色に心が震えたという

                バイオリニストの川畠成道さんです。

 

川畠さんは、8歳のとき 生存率5%と言われる難病にかかりました。

幸い病気は回復したものの、その治療の後遺症で視力が悪くなり、

ほとんど目が見えません。

 

「これからどうやって生きていけばいいのか・・」

悩んだ末、最終的に行き着いたのが バイオリンでした。

10歳という(バイオリンの世界では)遅いスタートに加え、

視力のハンディーもありましたが、「0.1%の可能性でも賭けてみよう」

と 努力を重ね、留学先のイギリス王立音楽院を主席で卒業。

今や、世界的なバイオリニストとなりました。

何という贅沢!

特別に、こんな至近距離で演奏を聞かせて頂きました ( ↓ )

 

川畠さんの奏でる音色は、まるで感情を伴った人の声のように

叫んだり、囁いたり、そして穏やかに、語りかけてきます。

本物の音楽にふれて 心が揺さぶられる・・貴重な体験をさせて頂きました。

文字を読むことが困難な川畠さんは、

普段、ボランティアの方の朗読CDや 奥様の朗読で

本を楽しんでいます。

 

 

そんな川畠さんが薦める本が こちら。

 

    【 シャーロック ホームズ シリーズ 】        著 コナン・ドイル

 

世界的に有名な、推理小説。 

幼い頃、夢中で読んだなぁ・・・という方も 多いのではないでしょうか。

川畠さんは、ロサンゼルスで病気が発覚し入院生活を余儀なくされたとき、

不安を抱えながら、お母様に読んでもらったそうです。

 

『 今でも 楽しんでいます。

  何度読んでもまた読みたくなるほど奥が深い。』 (川畠さん)

 

 

相棒のワトスン共に、鋭い観察力と冷静沈着な行動で

見事に難題を解決していく、シャーロック・ホームズ。

 

数多ある推理小説のなかでも、キャラクターの個性や、

   冗談や洒落の完成度の高さ、純粋な推理の面白さでは

                      群を抜いているのではないでしょうか。

特に、川畠さんが強調するには、

  毎回最後に放つ  《 ホームズのひと言の魅力 》  です。

 

物語を締めくくると同時に、読者に対しても読後の心地よい余韻を与える

大切な部分になるわけですが・・  その魅力に 私もはまってしまいました。

この世界観は、大人だからこそ(!)楽しめるものです。

 

イギリス人らしく、ときに辛らつに ときにユーモラスに。

これほど清々しく気持ちの良いラストの締め方は、さすがは巨匠。

今なお、世界中の人々を魅了し続けているわけです。

 

 

『 事件を解決してそれで終わり・・ ということではなく、

  その過程の中で、ホームズが人間的な一面を覗かせる

  そういうところが素敵だな、と。 』 (川畠さん)

シャーロック・ホームズの作品に、まさに自身が助けられたように、

生きていく中で困難に直面したとき、

この本は 「きっと何らかの力を与えてくれるのでは」と、川畠さんは言います。

 

 

幼い頃を懐かしむように読み出した シリーズ作品でしたが、

        子供の頃には味わえなった 「新たな発見」や

               「作品の魅力」を、堪能することができました ☆