スミスの本棚 『作家★福井晴敏さん』

今回のゲストは、小説「人類資金」の著者 福井晴敏さんです。

発売と同時に映画化もされ、まだまだ小説もラストに向けて執筆中・・・

という多忙な中、お話を伺いました!

福井さんといえば・・・

 国防問題に切り込んだ「亡国のイージス」

 戦争について考えさせる「終戦のローレライ」    など

ハードボイルドな作品で、常に私達に問題提起をしてくれます。

 

そして今回取り組んだ問題が 「経済」。

本人曰く 『経済に明るいわけではない自分があえて・・』 

専門家ではないからこそ見えてくる 今の経済問題に

正面から向き合い、大切なメッセージを伝えています。

 

リーマンショック後の金融緩和で、お金が市場にどんどん供給され

価値の裏付けのない紙切れが膨らんだこのツケは誰が払うのか?

その解決策の一つとして、途上国に対し、あるビジネスモデルが示されます。

 

リアル過ぎて怖くなる超大作。

人類を救うために必要な方針転換とは?

小説でも映画でも楽しめる作品です。

 

 

さて、そんな福井さんがお薦めしてくれた本が、こちら。

高村薫さんの 【 神の火 】 

 

チェルノブイリでの原発事故を受けての話題作。

(福島原発事故の際にも再び注目されました)

原発の開発に深く関わった主人公が、己の人生をかけて

すべてを清算していくさまを描いています。

 

ラストの原発襲撃のシーンなどは、

そのあまりの精細でリアルな施設内の描写が当時問題になったほど

想像を超えるような取材に裏打ちされた、『みっちりと濃密な作品』。

 

小説に貫かれているのは、

「自分が生み出した罪は自分の責任で神様の元へ帰す・・」という

一つの崇高な魂。

ただそこに息苦しさはなく、心地よい緊張感を持って

最後まで一気に読ませる作品に仕上がっています。

 

それにしても、この原発問題しかり。

「当事者意識を持つか持たないかで

世界は、物事は、全く異なって見えるものなんだ・・」

人間は愚かな生き物でもあるということを、強く考えさせられました。

 

 

福井さんに「小説家として生きていこう」と決断させた作品。

小説に必要かつ大切なあらゆる要素が全て盛り込まれ、

なおかつ、その独特の世界観にじっくり浸ることができる・・そんな一冊です。