スミスの本棚 『作家 ★ 真山仁さん』

今回のゲストは、あの「ハゲタカ」で知られる 作家の真山仁さん

 

2004年のデビュー作、企業の熾烈な買収劇が強烈なインパクトを与えた

「ハゲタカ」以降も、世の中の動きを敏感に捉えた小説を手がけています。

 

リアルなのか小説なのか・・ギリギリの展開に最後までハラハラさせられる

真山ワールドは、読後、一試合終えたような(笑)体力の消耗感さえ覚える

凄みがあります。

 

その「ハゲタカ」の第4弾にあたる新作が 【 グリード 】

2008年 リーマンショックの裏側を、面白く、繊細に、そしてドラマチックに

描いています。おそらく当時のアメリカはこんな様子だったのでしょう。

その緻密な描写と、最後まで全く予想のできない展開に見事にはまった私は、

なんと2日連続の徹夜で(仕事は大丈夫だったのか・・)完読。

 

『私は経済の専門家ではないから・・』 そう繰り返す真山さん。

その道のスペシャリストでないからこそ、感じること。

捉えられること。発信できることがある。

そして。 

1つの小説が大きな影響力を持ち、社会を変えることができるかもしれない。 

真山さんがお薦めしてくれた本は こちら。

 

【 消されかけた男 (チャーリー・マフィンシリーズ) 】 フリーマントル 著

 

 

冷戦時代のスパイ小説。

イギリスの諜報部員のスパイで、冴えない風貌の主人公。

実は鋭い頭脳の持ち主である彼の、組織との駆け引きを描きます。

 

全体に仕掛けられた大きなトリック。

途中に散りばめられている伏線や

計算されつくした完成度に、読後、拍手を送りたくなったほど。

実はこの主人公 「チャーリー・マフィン」 のイメージ像が

ハゲタカの主人公 「鷲津政彦(わしづまさひこ)」 を生み出す元になったと聞いて

驚きました。

 

 

≪本当にできるスゴイ人は目立たない≫

そのキャラクター設定だけでなく、小説としても学ぶことは多かったと言います。

 

 

『 仕掛けを作るには準備が大事。 焦っちゃダメ。』 (真山さん)

 

読み込むほどに新たな発見がある、そんな小説の作りは

真山さんの小説にも生きています。

  

 

更に、組織の冷徹さを目の当たりにし上下関係の中で消耗し、

必死に生き残ろうとサバイバルする「現代のサラリーマン」にも

通じる部分も多い。

そんな人間くさいスパイ小説だからこそ、

親近感をもって読み進められる一冊でもあるのです。

時代は変わりまして・・・

真山さんにとっての「チャーリー」が、私たちにとっての「鷲津政彦」

とも言えるのではないでしょうか。

 

次回作、楽しみにお待ちしております!