
ボクシングの日本スーパーバンタム級(55.34kg)タイトルマッチを観戦して来ました。
防衛戦に臨むチャンピオン木村章司。
挑戦者が芹江匡晋(せりえまさあき)。
共に防御に優れた選手。いわゆる、目と勘が良いタイプ。
打たせても打たれない者同士。
と言っても、芹江選手はアグレッシブでトリッキーな攻撃も売り。
木村選手も、一度ベルトを失ってから攻撃を磨いて王座返り咲き。
矛と盾の故事を思い浮かべるような、似たスタイル同士の一戦。
結果は・・・

写真では解かりにくいですね。
チャレンジャーが、僅差の判定で勝利!
新チャンピオン誕生となりました!!
芹江選手、おめでとうございます。
芹江選手所属の伴流(ばんりゅう)ジム、初のチャンピオンです。
尚、芹江選手の戦績は18戦15勝3敗(6KO)となりました。
さて。テレビ中継でも新聞でも、ボクサーを紹介する際に。
ジムの名前と併せて、戦績が紹介されることが多いですね。
この戦績、残酷なまでに、重たい数字になります。
ボクサーにとっての、1敗の持つ意味の、重いこと重いこと。
勝つこともあれば、負けることもある。それが勝負の常。
ここ一番、負けられない大事な試合というものもありますが。
デビューから「常に」その重圧にさらされ続けるのがボクシング。
勝てば勝つほどに、そのボクサーへの期待や集める畏敬の念は増大します。
しかし、たった1度の負けで。大げさでなく、霧散します。
連勝街道を進み、輝かしいまでに「特別な存在」だった選手が。
一夜の負けで「普通のボクサー」になってしまうような、そんな衝撃。
強いことには変わりはないはずなのに・・・。
切実・・・。
以前、島田アナウンサーが取材した中島健選手(今は引退)が言ったそうです。
「ボクサーは、相手の夢を、踏み潰して進んでいくんです」
勝ち続けた者と勝ち続けた者が戦い、勝者だけが評価される。
また評価されたもの同士が戦い、どちらかが脱落する。
その強いもの同士の潰し合いの果てに手にするチャンピオンベルト。
木村選手の王座陥落は、今回が2度目。
初めてチャンピオンになった時は、無敗でした。
1度目の陥落は、キャリアで初の敗北。
そこからは、厳しい試練の試合の数々。
やっと頂点に返り咲いた、という歴史。
世界挑戦を前にした中島選手の言葉を借りるならば。
その抱えたものごと、踏み潰していく世界。
勝ちの数は、人の夢と希望を踏み潰した回数。
負けの数は、誰かに踏み潰され、這いつくばってから、立ち上がった回数。
王者だけが見ることを許される夢は、芹江選手に引き継がれました。
芹江新チャンピオンの今後の活躍と、木村選手の再起に期待します。

会場には、このポスターが!!
内山高志&細野悟のダブル世界タイトルマッチ!!
共に無敗!!共に東洋太平洋王者!!
満を持しての、世界初挑戦!!!
まだ、誰にも踏み潰されたことの無い2人。
現世界チャンピオンの夢と希望を打ち砕き、ベルト奪取に挑戦するのは、1月11日!!