めんちょうの夏

 
史上最大のめんちょうが出来た。
鼻の頭に、である。

赤く晴れ上がって
ついには、サイの角のようにとんがってしまった。

これだけ大きいと憂鬱、さらにひどく痛い。
 

しかも
ぬおおおおおおおおおおおおおおお

どの皮膚科も、今はお盆休み!!!!!!
タイミング悪いっ

この巨大にとんがった鼻はどうしたら治るんだろう
 

でも仕事は休めないっ
薬をぬり 絆創膏をし さらにマスクをして会社へ

しかし、夏のマスクは拷問である
顔半分は あっという間に汗だく、サウナ状態で

く、くるしい。息が苦しい。
でもめんちょう見せるのも恥ずかしい。


歯を食いしばり
アナウンス部へいくと

「おっどうした?風邪か?」
「あっこさん、風邪ですか~?」

そうよねえ
急にマスクなんてしたら驚くよね

いやいや。めんちょうができて。


前田みかちゃんは
「あっこさん、私、かなり効く薬ありますよ、使ってください」


繁田みきちゃんは
「私も肌が荒れるんです、いやですよねええ」
 
ミズは
「気分滅入りますよねえ」


やんややんやと親身になって聞いてくれる。
みんななんて優しいのだろう


とにかくオンエアーに向けなんとかメークでごまかさないとっ

メーク室では
自分でメークをする間に
メークさんが髪の毛をブローしてくれるのだが

スッピンで鏡の前に座ると

メークさん
目を見開いている。

何か、いいたげだが
言ってちゃいけない、そんなきまずい雰囲気が・・・・・

こういう場合は自分から言ってあげないといけない
「痛いんだよ、このめんちょう」

ホッとした表情で
「かなり大きいですねえ、いたそうですねえ」
ひとしきりめんちょう話で盛り上がったが

こってりファンデーションをぬっても赤みは隠せるが、凹凸はむりなんだな
ふむ、これが限界。

まあ、何もしないよりは随分隠れただろう。


報道フロアにおりて、
パソコンとにらめっこをしているアローズ娘、門田にきいた

「今日相場はどうなってる?」

「閑散に売り無し、ってかんじですねえ、まあ、このまま、今日も、あ、あ・・!?」

彼女の視線は私の目から、私の鼻の先に。

みちゃいけない、でも、ああ、目が離せない・・・・・・
そんな彼女の葛藤が伝わってくる


「昨日より・・・・・・大きくなってますね」

ぬおおおおおおおおおおおおおお


昨日と大きさを比較しましたか?
あなたは私のめんちょう成長日記を書いているのですかっ


と、まあ、ストレートに事実を指摘してもらうのも気が楽なもんで
またひとしきり盛り上がり。


オンエア後、門田は
「あっこさん、やっぱり昨日より目立ちましたね」

そういって
つぶらな瞳で、申し訳なさそうに、聞いてきた

「私に何ができますか?何かできることあるんでしょうか」

思わず笑ってしまった。

この歳でめんちょうに悩まされるとは思わなかったが、案外、楽しめるものである
きっと明日にはすこしは楽になるだろう


・・・・と思ったら
起きた今朝も痛い。大きい。しかも頭がいたい。気分も滅入る。

 
大岡部長と斎藤デスクにメールをした

「めんちょうごときではあるのですが、あまりにひどく
少し会社遅れて行きます」

ポロン、ポロンとすぐに返事がきた
 
 
大岡さん
「お大事に。ぎりぎりにくればいい。誰にもなるべくめんちょうを見られないように」

斎藤デスク
「了解、めんちょうを甘くみちゃいけないよ~」


・・・・めんちょうは二度となりたくないが、
人の優しさやあたたかさをしみじみ感じられるなら無駄な時間ではないと思った
2012年のお盆であった。