NYで結婚するときのこと
「彼と契約書は交わした?」
お世話になっている素敵なマダムキャロル↓が言った

「はっ?婚姻届のこと?まだですが」
「違うわよ。
将来、別れた時に慰謝料でもめないように、最初から金額などをはなしあっておくでしょ」
・・・・・・・・・
あのお、ごめんなさい
意味がわからないんですが・・・。
「だから、浮気だの、けんかだのして離婚した時に、不当に莫大な慰謝料を請求されたら困るでしょ?だからはじめから決めておくのよ。お互いの割合を。
そのほうが安心でしょ」
ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
結婚する前から
離婚を想定して、慰謝料の契約書を交わすのですかっ?
なんていうことっ。
なんて夢のないっ
なんてドライなっ
あいた口がふさがりません。
みんなするんですか?
アメリカは離婚率50%よ。日常茶飯事だし、お金は取れるだけ取るという訴訟大国。あとでもめないように、婚前契約書をかわすのは普通のことよ。
マダムキャロルはにっこり笑って言った。
自分たちの財産を洗い出して、どこまでが自分の持分でどこまでが相手のものかを細かくきめるそうだ
むむう
アメリカ人は時として非情だ。
わたしの知人のアダモも、あんなに奥さんと仲良しで、幸せそうだったのに
離婚に至り、ついこの間、身ぐるみ剥がされたばかりだ
事前契約をしなかったからね・・・彼は寂しそうだった。
彼の女性問題が原因、とはいえ
奥さんは、社長だったアダモの経営権すら奪い取ったんだからすごい。
「でもねえ、奥さんもさあ、そこまでするかなあ。むごいよねえ。」
私がつぶやくと
私の旦那はしれ~と言った
「でも奥さんにもその後の生活があるからね。仕方が無いんじゃない?」
・・・・・ドライじゃあありませんか?あなた。
さすがアメリカ育ちである
さらに言い放つ
アメリカでは
離婚したら、結婚して以降の二人の財産は合計して、半分ずつわけるんだよ
ええっ?
そしたら私のほうが収入が多かったら損するじゃないっ
そうねえ
やつは、にやりと笑った
解釈はいろいろ出来るんだよ
たとえば、僕と結婚したあとで、君が弁護士にでもなってお金持ちになったとしても、それは僕のおかげ、もあるわけで。だから僕にももらう権利はあるとかさ。
ぬおおおおおおおおおおおお
なんて都合のいい解釈っ
おかしいよ。
そしたら私が買ったこのソファーはどうなるの?
ほしかったらあげるけど
その代わり、ベットはぼく、とかね。
おかしいよっそれ(怒)
だって、それも私が買ったんだよ。
だから、そうやって揉め事になって、離婚手続きに時間がかからないように
最初から持分をきめておくんだよ。
まあ、大体、お金もってる人たちが身を守るために交わすけど、最近はふつーの人もやるよね。
・ ・・・・・・・・・・・・
こんなやり取りを交わしていると、甘い気分も冷めてくる。
そもそも
最初から別れることを想定するような結婚だったらやめたほうがいい。
お~いやだ いやだ。
私は日本人である。
アメリカ人の徹底した合理主義は見習うところも多いが
この考え方までは、賛同できない。
・・・・・・今のところはね
