踊るのは苦手です。

ダンスは苦手だ

小学校のときに踊ったフォークダンス
好きな男の子まであと二人というところで
音楽は終わった。

もしくは大学時代。
ラクロスの仲間と物見遊山でいった「ジュリアナ東京」
いけてる服なんて持ってないから喪服にじゃらじゃらアクセをつけて。
お立ち台にのぼってみたものの、常連客に突き落とされ
二度と行くかと、背を向けた。
その程度だ

踊る機会なんて日本ではそうはない。

なのにアメリカは何かというと
ダンスを踊る。
結婚式や卒業式、誕生日にクリスマス。
どんな場面でも
老若男女
とにかく踊りまくるのには驚いた。


「アメリカでは当たり前だよ。ふつー。
イベントの時は大体、みんなパートナーと一緒におどるんだよ」

「子供の頃からパーティーでタキシード着ておどってたよな」


へえへえへえ。


日本にいたときに踊りに行く
というと
親は眉をひそめたものだ

踊る=ディスコ=不良

短絡的なものの考え方である

まあバブルの申し子たちは
扇子をもって踊り狂うという
怪しげなイメージがあるのも否めないけど


でもこちらで「踊る」場合

例えば男性はタキシード
女性は素敵なカクテルドレス
そう、どっちかというと
社交界。
port_miyo_03.jpg





だから街中のちょっとしたブティックにも
まるでレッドカーペットを歩くかのような
本格的なドレスがおいてある。

「結婚式向けのドレスってすごいねえ。
セレブっぽいのが山のようにあるのよね」


「アメリカはダンスを踊る機会が多いですからね
それに肌の露出も多いですからね、出して何ぼですよ。あっこさん負けちゃだめですよ」
スタッフは言う。

一体、何に勝てというのだろうか。



そしてシアトルでの結婚式でやっぱり始まったダンスタイム。

新婦と新郎

そして新婦とお父さんがダンス?
親とダンスなんて
日本だったら恥ずかしくて出来ないが

・・・・楽しそうだ。
・・・・しかもご両親、うれしそう。


そしてみんな、立ち上がり
あれよあれよとステージは大混雑だあ。
シアトル 017.jpg




ぬおおおおおおお
こちらは70歳くらいの、おじいちゃんおばあちゃん。
激しいダンスだっ
手と足とが一緒の方向に動いているけど。


それにしても困った。
踊るのは慣れていない。



「私はいいや」


そう言って座っていた私は、いつしかテーブルで一人になった。
誰もかまってはくれない


・・・・・・・みんな楽しそうだ。
・・・・・参加しない私って
・・・・異文化コミュニケーション出来ていない?



10分独りで座っていて
11分後に立ち上がった。



「別に踊りがうまい下手をみるわけじゃあないんだから。
楽しく踊る、楽しければいいんじゃない?」


みんなが輪の中に入れてくれた。


結局、老夫婦に負けるもんかと踊り続けること4時間。髪だってぼさぼさに。
IMG_2518.jpg

次の日、足が筋肉痛になった.




ダンスひとつで何が語れるわけでもないが、
それでもこの国のどこまでもポジティブで底ぬけに明るい人々の根源が
垣間見える。
人生はとことん楽しむものだと。


スタッフが言った「負けちゃだめですよ」
特に意味はないのだろうが、
あれは今までの自分の価値観から、外界に一歩踏み出せずにいた
私自身に向けられた言葉だったのか


今度はもっと踊りやすいドレスを買おう。
すそが開いた、派手なやつ。