抱きしめられてNY

抵抗がある

とても違和感がある。

ハグである。

一年ちょっと前、ダンサーゆかとNYで再会したとき、
別れ際、

「これから楽しみだね、また何かあったら連絡して」
そういって
両手を広げてゆかがちかずいてきたとき、
えっ?

腰が抜けた。
まさか
これは抱擁?

こちらでは気心知れた仲間ほど、別れ際は
熱烈な抱擁をする。
男も女もだ。

15年ぶりに会うゆかは、すっかりNYカーで。
正面からあなたと抱き合うのか?

ひゃあああああ
「まじですかあああ?」
目をつむって
どきどきしながらハグしたあの日を強烈に覚えている

最初の文化融合だ。

アメリカ人のマイルズ。
何度か食事で一緒に盛り上がった関係だが
この間、別れ際に

「今日は楽しかったよっ
また次、会えるのを楽しみに・・・・・」(英語でよ)

そして

マイルズが
両手を広げてきた

ああああああああ、そんな笑顔でちかづかないで
ハグだああ

彼氏以外の男性と正面きってハグせねばならないのだろうか??????

ここで拒否したら
関係悪化であろう、これは義務だ、義務。
頑張れ佐々木
文化を受け入れろっ

えいやああ、
目をつぶって抱き合う。

うわあ、

密着だあ


腰が引ける


しかも


ほっぺたをくっつけないでくださいいいいいいいいいいいいい


そして、あああ、なんてことっ
唇がちかずいてきたっ

―こんな場面はなぜか記憶はスローモーションになる

次の瞬間
ほっぺたに、ぬるい感触が

「んんんんんんっまっ」

わかるだろうか
この音質っ
んんんんっまっ

って
吸い付いて
勢いよく離すかんじ。



ひいひいひい



親から
厳しく教育された私にとってなかなか拷問に近い瞬間である

NYでも、日本人社会ではハグは存在しない
やっぱりアメリカならではの慣習だ。

「なんで、ハグするのかなあ?私、苦手。腰が引けるんだけど」
「会社関係ではあまりないですよ、親しければ親しいほどハグをするかなあ」

アメリカ人、シューは言う

「オープンアームズ、ですからねえ。つまり心を開いた、打ち解けたってことですからねえ。手を広げられたときにあなたが拒絶したら、そりゃあまずいんじゃあ ないですか?」

うそっ
この間、笑ってごまかして握手にしちゃったよ。


「ああ、それは相手は傷ついたでしょうね」


えええええええええええ?
本当ですか?

・・・でも・でも・・・私は実は人に触られるのは、苦手なのですよ

自己中な主張ではあるが
でも案外、日本人は全般的に「ハグ」は苦手なんではないかと思う。
なんていうのか文化的に。


人の懐に入っていく、あの「生ぐさい接触」っていうのか
私は、腰のあたりがむずむずしてたまらない。


つたない英語で説明すると

「まあ、それも日本人の美学かもしれませんね。
でも日本人の挨拶はこっちの人からは、よそよそしくて、なんか寂しいものとして受け止められると思いますね」



ぬおおおおおおおおおおおおおおお。
なんとっ
それはいけない。何とかせねば。


ということで
目下、「ハグ」の特訓中。

最近、息を止めるとなぜか「ハグ」も気が楽なことに気が付いて、成果も上々である。

いい感じだ。

でも日本に戻ったときに
このハグを連発すると、あちこちで誤解を生みそうな気がしなくもない。



そして、ついに初公開しよう。これがダンサーゆかである。
ハローアメリカ 009.jpg

こやつが、私のNY生活、初の「ハグ」の相手である。