私たちは神経をすり減らし仕事をした。
あああああ
疲れたなあ。
ストレス発散しに買い物でもいこうっ
5番街のサックスは、会社からも近いし便利。
中をのぞくとすごい人だ

某化粧品ブランドの前を通り過ぎようとした瞬間
「ちょっとあなた、メイクを試してみない?」
メキシコ人の女性スタッフが声をかけてきた
「ん?メイク?」
「うちの国際的なメークアップアーティストがちょうど今きているの
彼は、世界中のタレントやキャスターのメークをしてるのよ」
ぬおおおおおおおおおお。それはすごい。面白そうだぞ
「私も島国・日本のアナウンサーなんです」
といったとたん
彼女は大興奮に陥った
「まあああああ。すぐに準備するわ、そこに座って」
・・でもここは・・・通路のど真ん中
かなり、めだちますが。
しばらくして、そのカリスマ・アーティストがスタッフを2人引き連れてやってきた
うん、かっこいい。
じゃあ、お任せします。
彼は私の顔をじっとみると、取り掛かった。
鏡が見えない私はされるがままで
「ンンンン~ワンダフル。
SO~、ビュ~ティフル。」
周りのスタッフの感嘆の声だけが聞こえ、
さあ
見てごらん。
鏡を見て
絶句した
す、すごい。
「積み木崩し」の不良少女である。
目の周りが真っ青だ
殴られたようだ
アイラインが二重のうえにまで飛び出している。
・・・・・巨大目玉おんなだ。
「世界のキャスターの間で、今、もっとも旬なメークだよ」
周りからは拍手が・・・。
確かに
アメリカの女性キャスターは
画面の中で「豪快な」メークで微笑んでいる
それを思い浮かべると ・・・・・・・・・・・・わかるかなあ。
真っ赤な唇に、グリーンのアイシャドウ、長い付けまつげに
ロングヘア~。
人種もさまざまで、ニュース番組も個性にあふれている。
だが世界はどうであれ、日本でこんなメークでニュースを読んだら
苦情殺到である。
・・・・見れば見るほど、●●●●である。
あああ、そんなに満足げな顔で私を見つめないで。
カリスマアーティストに、
「最高だわっ。これでいい仕事ができそう!」と
お礼をいって、どこでこのメークを落とそうか
考えていた。
あっそうだ
化粧水がなくなっていたんだ。
ついでに買っておこう
で、これをひとつゲットしたら・・・・

な、な、なんと!
いまキャンペーン中だからといって
こんなグッズをくれたのだ“!!!!!

す、すごい
あけてびっくり
たった一個、化粧水を買っただけなのに
こんなにもらっちゃっていいの?
日本だったら
ちっこい試供品を大切そうに一個くれるだけである
私の友人なんぞは
試供品コレクターだった。
彼女がこれをみたら
腰を抜かすだろう。
アメリカは
やることがでっかいね。
豪快だね。
さらに、もひとつ別のブランドで
これをかったら

今度は素敵なサックス特製のトラベルポーチをくれた
ありゃリップクリームやマスカラもある。
ヘアバンドも
こりゃあ、限定品だよ。
うれし~。
得した気分だ。

消費が低迷してきている中、どこも顧客獲得に必死とはいえ
これは豪華すぎます
「また来てね」
そうウインクする店員に手を振った。
何に対しても感じるのだが
アメリカは
本当に規模が大きい。
建物の大きさも
ステーキの大きさも
企業買収金額の大きさも
ソファーの大きさも。
そして
国の大きさも
試供品の大きさも。
無駄に大きいものもあれど
この大らかさは、魅力的だと思うのだった。