KAITEKIを世界指標に

 先週は金曜日が建国記念日でお休みだったので、言いモーニングも一週スキップさせていただき、箱根旅行に行ってきました!往復のロマンスカーは満席、箱根のタクシー乗り場も長蛇の列。ホテルのレストランも予約でいっぱい、土産店も人がいっぱい。去年の後半ごろから"節約疲れ"という言葉はちらほら聞こえてきましたが、箱根はすっかり不景気を脱出した感がありました。中国人観光客が活気をもたらしている事実も否めませんが、観光地の元気な姿に嬉しさを覚えました。

 さて、前回の「THE TOP LINE」は総合化学大手!生活に密接にかかわっているけど、専門的で難しいケミカルの世界です。噛み砕いて話してくださったのは、三菱ケミカルHDの小林喜光社長。事前に小林社長に関する資料を読み漁っていたのですが、超個性的でとんでもなく頭脳派。東京大学大学院相関理化学修士課程終了後、イスラエルのヘブライ大学物理化学化、イタリアのピサ大学化学科に留学という経歴の持ち主で、ケミカルのエキスパートでありながら文学的、現在は最先端の経営を推し進めています。

 小林社長は「マネジメント・オブ・サスティナビリティ(MOS)」という新しい経営学の理念を説いています。利益だけを追求する経営では地球環境を破壊に導く、これからはサスティナビリティ(=永続性)を考える経営でなければ地球は持たないし企業も成り立たないと。MBA(財務重視の経営学修士)とMOT(技術経営)にMOSをプラスする。
 「後講釈の経営学はいらない、MOSの理念に基づく日本発の経営学を」と、まさに経営の歴史を作る人です。

 具体的にどんなことをしているかというと、三菱ケミカルは「KAITEKI」という経営管理指標を作り取り入れてようとしています。環境負荷の低減や人々の健康、快適な生活の実現に向けて企業が提供する価値をKAITEKIという指数で表し、企業がどれだけのKAITEKI価値を生んだかを評価します。トヨタ生産方式が「KAIZEN」の名で海を渡りグローバルに採用されているように「KAITEKIも世界中で採用してほしい」と小林社長は語ります。

 化学の粋を集めて小林社長が目指すのは「新炭素社会」の実現。「低炭素」ではありません。CO2を排出する生物(人間etc)がいればCO2を吸収する生物(植物)もいる。CO2を排出する生産の現場があれば、CO2を資源に物を作る現場をつくればいいのだということでしょうか。吐き出すCO2を減らすのではなく、吸い込むCO2を増やして100年先も200年先も均衡の取れた地球を目指す。「化学会社とは、錬金術ならぬ錬炭素技術をもった"カーボンの細工師"。炭素繊維など、炭素を利用することで新しいものを生み出す可能性を秘めている。」のだそうです。
 サスティナビリティーがキーワードとなっている昨今。小林社長の発言から目が放せません!