感動の出来事


あれは3年前の春

 

NYはリーマンショックの嵐をうけ
どこもかしこも、叩き売りセール。

不況で物がまったく売れない異常事態だった


 

ふふふ

でも私は日本人。
アメリカ人のように借金まみれではない

 

 

バーニーズの900ドル(当時9万円)スプリングコートが 

うひゃひゃ~ 90ドル(9000円)だよ

やっすーい。
日本で買ったら14~5万はするだろうに。

 


そして買った
黒のトレンチコート。

 

 

さっそうと手にもってタクシーに乗り・・・・・・
レストランについて気がついた。

 

「あれ?ないっ  私、コートどうしたっけ?」

 

「えっ?あっこ、もともと持ってなかったよ」
友達は不思議そうにいった。


 

ぬおおおおおおおっ

 

 

あのタクシーの中に置いてきてしまったのだ。
どーしようっ!

 

そうだっレシート、 レシート。
レシートにタクシー会社の連絡先が書いてあるからあとで電話してみよう。


 

そしてその日の夜
電話すると。


「May I Help You?」


女性が出た。

 

コートをタクシーに忘れました
届けられていませんか?


「ないわね」


 

・・・・・・・あのお、返答が早すぎませんか?

・・・・・・・あなた、ちゃんと確認してくれていますか?????


 

NYでは、ここで引き下がってはならない

「あの、どうしたらいいですか?落し物はどこに届けられますか?」

 

 

・・・・・・・沈黙が続いた

そしてふんっと鼻笑いする気配がし

 

「気の毒だけど あなたのコートはきっともう どっかのホームレスが着てると思うわ。」

 

 

ガチャ・・・・・


 

 

ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおお

 


切りましたか?

しかも、ジョークなのか本気なのか、そんな表現していいんですかっ

 

 

ひゅる~
これがNYである

 

そう、

しっかり持ってたって奪われるんだから

物を落とせば返ってくることはない。(断定はできないが)


 

 

 

そして現在。
3日前のこと。


 

取材先から急いで帰ってきて

あれ?
IDカードがないっ

 

 

 

これがないと、アナウンス部に入れないどころか、パソコンも使えない、なくせば危機的状況で、


 

ない、ないっ
あせる私を、水原アナが心配そうに見る

 

 

「あっこさん、まずいですね」

 

まずいよっまずい。
処分ものですよ。


あちこちで大騒ぎしていたら
連絡が入った。

 

「あっこさん、IDカードをタクシーの運転手さんが落し物といってテレビ東京に届けてくれたそうです」

 

 

ぬおおおおおおおおおおおおおおおおお


 

さっき乗ったタクシーに落としてたんだ!!
運転手さん、わざわざ届けてくれたの?

なんて親切な。
なんてあたたかい。

ほんとにありがとう。

 


そして昨日の朝

会社に出社して気がついた


あっさっきかばんにしまった、グレーのマフラーがないっ

 

 

あれ?
おかしいなあ

どこに落としたんだろう???

 

狩野アナが心配そうに・・
「あっこさん、ショックですね。」


 

ショックよ、ショック。あれ、買ったばっかりだもの。
もしかして電車の中か?

心当たりの駅の管理室に電話した


 

「どんなマフラーですか?グレーですね?
  ちょっとそのままお待ちください」


 

・・・・・待つこと3分ほど

「いま、改札からホームまでみてみたんですが、ありませんねえ。」


 

な、なんとっ!!!!

 

あなたは、いま、走って確認してきてくれたのですか?
わざわざ、見てきてくれたのですか?


そしてその直後、

「あっ、今、グレーのマフラーが届いたとの連絡がありました。おそらくお客様のだと思います。よかったですね!!」


 

 

 

IDを悪用せず
マフラーも横領せず

 

これほど親切で安全な国があるだろうか。


ああ、

これが私の国、日本である

 

この国民性を私は心から誇りに思うのだった。