ジャパネスクvol.6 白磁


Japanesque外国人の目に異国情趣が感じられる純日本的な雰囲気

 

 3年間の早朝出勤生活で、日の出の時刻に敏感になりました。真冬の間は暗闇の中を出社していたのですが、最近はようやく夜明けの薄明るい光の中での出社。この「白む」時間の光が好きで、今日も一日頑張るぞと力がみなぎって来るのです。でも、この「白む」という言葉、広辞苑で調べたところ、夜が明けてあかるくなるという意味以外は、衰え弱まる、鈍くなる、勢いがくじける、ひるむ、興ざめする、しらける、といったネガティブワードのオンパレード。白んでみなぎるという表現はおかしいのか?いいじゃないか、私は白んでも白まないぞ!

 

 またまた前置きが長くなりましたが、今回は陶磁の話。

 先日、サントリー美術館「悠久の光彩 東洋陶磁の美」に行ってきました。

 後漢時代から明時代の中国陶磁の流れをたどる第1章。高麗時代から朝鮮時代に至る韓国陶磁をたどる第2章。日本の陶磁に多大な影響を与えた東洋陶磁、テーマは難しいが、「知識で物を見るのではなく、直感で見ることが何よりも肝要である」という柳宗悦の言葉を胸に、意気揚々と乗り込みました。

うわぁ!スタート地点から「重要美術品」や「重要文化財」が目白押し、そしてちらほら「国宝」まで!キャー贅沢!そこには「重要○○」や「国宝」という言葉を探して喜ぶミーハー水原の姿が。ちょいと待て、今日は心の目で作品と対峙すると決めて来たのだ!やり直し。直感を全開にしてやり直し!しかし直感で見るというのは、意識すると意外と難しいもので、始めのうちは、大胆な絵が描かれたお皿や、竜が描かれた壺に目を奪われていました。でも終盤で、ようやく心の目が開いてきました。無地無色だと思っていた「白磁」の壺や瓶が魅せる白い色や光に心を奪われていたのです。作品ひとつひとつに強烈なインパクトは無いけれど、これ、私が好きな「白む」色だ!!

 

 展覧会に予習なしで乗り込んだ私ですが、興奮が冷める前にしっかり復習を。

 江宮隆之著「白磁の人」を読みました。植民地政策下の朝鮮に渡り、白磁を中心とした朝鮮民芸の中に美を見出し、柳宗悦などを介し日本に朝鮮陶磁を広めた浅川兄弟の話。主人公は、朝鮮の人を愛し、朝鮮の人から愛された弟の浅川巧。優しく穏やかな性格、信念を貫く強さ、すべてを丸く包み込む寛容さ、そばにいると心が温かくなる心地よさ、浅川巧は白磁のような人であったと。自分の命を削ってまで、人のために、陶磁のために、朝鮮のために生きた浅川巧の最期のシーンは涙なくして読めません。

 

日本の民藝とのつながりもしっかり書かれたこの本。展覧会に行く前に読んでおくべきであった。。。