ジャパネスクvol.41 円空

 

Japanesque外国人の目に異国情趣が感じられる純日本的な雰囲気

 

 2013年は何故か仏づいてます。年明けは「白隠展」で禅画に触れ、先週末は上野の東京国立博物館に「飛騨の円空~千光寺とその周辺の足跡」を見に行ってきました。

 円空とは、江戸時代の行脚僧で、生涯12000体もの仏像を彫ったのだとか。現在発見されている円空仏は5350体、今回はそのうち100体が展示されています。

 

 しかし、なぜまた円空展に?

実は私、円空についてよく知りませんでした。それどころか木彫りの仏像もあまり意識して見たことが無かったので、私のアンテナは反応していませんでした。

地下鉄のホームにこんなに目立つポスターが張ってあっても、毎日スルーしていました。

そんな私が何故円空展に行こうと思ったのか!それは、木工職人と視覚空間デザイナーと神話に詳しい石の専門家が展示会に行くと言うので、「プロの視点」というものに興味を示し、便乗してしまいました。

 

東京国立博物館の展示会場の暗い会場には所狭しと円空仏が展示され、一体一体丁寧に照らされています。私はその仏像の数に圧倒され、とりあえず全て網羅しようと歩む速度を上げようとしたところ、プロの囁きが聞こえてきました。

~昔の人の見方と同じように、蝋燭の明かりを意識したライティングだ~

ほぉ、プロはそんなところに意識がいくのか。

 

円空は63歳で亡くなっているから、簡単に計算しても1日に20体くらい仏像を彫った事になるのか・・・だからこんなに・・・。繊細でない円空仏に親近感を抱きながら観賞していたところ、再びプロの囁きが。

~すげぇ!余分なものが削ぎ落とされた究極の形。この刃の使い方、かなわねぇ~

ん?ちょっと雑ね、なんて素人目に感じていた私にとって驚きの一言。木目をそのまま活かして彫り上げているそうなのですが、ノミを入れて木を裂く段階で、木が円空の言うことをきいているのだそうな。だから、余分な加工をせずに最短で最高のものが作れるのだとか。

 

「木が円空の言うことをきく」その言葉を聞いてから、円空仏の見方が変わりました。所狭しと展示された円空仏が、仏としてだけではなく1本の木としても存在しているように感じられ、まるで森の中にいるような感覚になりました。

人の心だけでなく、空気をも浄化する円空仏に出会えて良かった。