ジャパネスク vol.42 ロバート・キャパ

 

Japanesque外国人の目に異国情趣が感じられる純日本的な雰囲気

 

 先日横浜美術館でロバート・キャパ生誕100年を記念して開催されている「ロバート・キャパ/ゲルタ・タロー二人の写真家」展を見に行ってきました。キャパはハンガリー出身のユダヤ人写真家で、世界で最も有名な報道写真家の1人です。スペインの内戦や第2次大戦など5つの戦場に赴き、命をかけて撮影し反ファシズムを表現しました。タローも同じくユダヤ人で、公私共にキャパのパートナーでした。

 

 2年前、エリオット・アーウィットの写真展で“キャパのお墓にすがり付いてなく母親”の写真を見たのがキャパに興味を持ったきっかけ。それ以来、「ちょっとピンボケ」「キャパ その青春」などを読み、キャパの行き当たりばったりでチャーミングな人間性のファンになりました。キャパの写真は、戦場での写真でも、人物にスポットを当て被写体の人間性を浮かび上がらせています。

 

 キャパもタローもジャパネスクではないぞ・・・ということで今回は、「キャパ・その青春」を翻訳した沢木耕太郎について。

 学生時代、沢木耕太郎の「一瞬の夏」が大好きでした!そんな沢木耕太郎が翻訳した「キャパ・その青春」は、あれれ、意外と読みづらいぞ・・・なるほどこの本は、沢木耕太郎が「高卒程度の英語力で2年半かけて訳した」ものらしく、若干硬い印象を受けました。

 でも、さすが沢木耕太郎、あとがきで自分の言葉を取り戻すと、ノンフィクション作家の本領発揮で“心眼”と“考察力”の深さに驚かされます。凄いのはそれだけではありません。この本が出されたのが1988年、沢木耕太郎はその後もずっとキャパの代表的な写真(崩れ落ちる兵士)について仮説を立て考察を続け、歴史を変える真実を突き止めました。

 沢木耕太郎の取材力に脱帽し、取材人のはしくれとしてあらためてスクールウォーズの言葉「信は力なり」「継続は力なり」を噛み締めました。

 

(崩れ落ちる兵士)はスペイン内戦時にコルドバで取られたもので、本当に撃たれているのか否か長年議論されていました。沢木耕太郎は検証を重ね、実際は撃たれていないことを実証し、さらに撮影者はキャパではないことを明らかにしました。キャパが使っていたライカでは画角が違うので、タローが所持していたローライフレックスで撮られたものであると。

 

ちなみに、これは私が大切にしている祖母の形見のライカです。古いものなので上手く使いこなせませんが、この重みや音やシャッターを押す時の感じが大好きです。