ジャパネスクvol,45 かっこいいお茶碗


Japanesque外国人の目に異国情趣が感じられる純日本的な雰囲気

 

 ニューヨークのオークションで、3ドル(290)で購入した茶碗が220万ドル(21000万円)で落札されたというニュースがありました。ガレージセールで購入した茶碗が、実は1000年前中国の北宋時代に作られた白磁のもので、模様が同じものは他には大英博物館にしか無いのだとか。割れたりひびが入ったりせずに残っていたなんて、奇跡ですね。

 

 さて、そんなニュースもあったので今回のジャパネスクは茶碗の話。

 先日母から「かっこいいお茶碗、見に行かない?」と誘われ、静嘉堂文庫美術館に行ってきました。静嘉堂文庫美術館は三菱財閥の第2代総帥岩崎弥之助、第4代総帥岩崎小弥太によって設立された美術館で、緑深い世田谷区の岡の上に建つ趣のある美術館です。

 

 茶道具の展覧会はあまり得意でない私ですが、「かっこいいお茶碗」という誘い文句が何となく気に入って、いざ!

 

 「かっこいいお茶碗」の集客力や恐るべし、展示会場はもの凄い人・人・人。「かっこいいお茶碗」の周りには3層にも4層にもなる人垣。人垣の隙間から噂の「かっこいいお茶碗」をのぞき見ると!うわぁ、本当にかっこいい!今まで見たことの無い、光を放ちながらも吸い込まれるような深い闇を湛えるお茶碗が!

 

 このお茶碗の正体は「曜変天目」と呼ばれる国宝様。

 世界で3つしかないうちの1つで、この「曜変天目」はかつて徳川家光から春日局に渡った物なのです。「曜変天目」とは天目茶碗(天目釉と呼ばれる鉄釉をかけて焼かれた陶器茶碗)の最上級のもので、その内側はまるで宇宙空間のよう。深い黒地に玉虫色の斑点が散りばめられ、本当に吸い込まれそうに美しい。暫く眺めたかったのですが、あまりの人だかり。回り込んで23度、45度、チラリチラリと覗いて来ました。

 

 私の茶道の先生は、「お道具は使われてこそ」と言って貴重なお道具にも積極的に触れさせてくれました。しかし、さすがにこの「曜変天目」は触れる触れないなどといったレベルを超越した存在。お道具と読んでいいのだろうか。実際に持ち主であった岩崎小弥太は「名器を私に用うべからず」と、一度もこの「曜変天目」を使用することが無かったそうです。


注:最後の一枚、茶碗の写真を持っています。

 後方に写るのは、前の席にの島田先輩です。