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住友林業株式会社
住友林業株式会社

こんにちは。住友林業の杉本と申します。

今日は、木の少し良い話ということでお話しさせていただきますので、おつき合いください。

住友林業株式会社

まず初めに、お集まりの皆様に意識調査のご協力をお願いしたいと思います。日本の森林がこの20年位で減っているのか、増えているのか、変わっていないのか、皆さん、少し考えてみてください。

答えは30年ぐらい、68%とか67%とか日本の国土の7割弱ぐらいで推移していて、変わっていないのです。

変わっていない、増えている、減っている、何でそういうふうに思われたのか、考えながらお聞きいただけるとありがたいと思います。

20年ぐらい前から急速に、木から人は、離れていっているのではないかといわれています。その魅力や価値を感じなくなったのか。当然、銀閣寺などの京都や高山の風景は、いまも価値がありますね。木の魅力を大都市に住んでいる皆さんがもし少しでもいいなとか価値があるなと思われたら、日本の山がある地方にその価値が眠っているといえます。もしこれが再発見できれば、地方創生につながるのではないかと考えています。日本の底力というのは、この森林大国、7割方森林に囲まれた、木という資源を生かすことじゃないかなと。

そんなことを思いながら、今、住友林業ではどんなことをしているかを少し紹介させていただきます。住友林業では創業から300年以上、山の管理をしています。

国内外の山から出てきた木材を流通させるとともに、建築の材料、床、柱などにして住宅を建てています。最近では木質バイオマス発電事業で、山で活用されていなかった材や、建築で出てくる残材などをエネルギーに変えています。

住友林業株式会社

最近、日本で林野庁、国交省それぞれが、木造化・木質化ということで林業の再生を推進しているので、その木造化・木質化を総称して、私たちは"木化"という言葉を使っています。木化宣言ということで木をどんどん使っていこうということを進めている最中です。木化という言葉は、もともと「モクカ」とか「モッカ」とか呼ばれ、生物学的な用語として存在しています。草のような植物に繊維質ができ少しかたくなる状態を「木化」と呼ぶようなのですが、私どもは木造・木質化を進めるという、どんどん木を使っていこうということで、緑化という言葉があるようにこの言葉を進めていくので、皆さんもきょうから"木化"という言葉をぜひ覚えて、様々なところで木が活かされる世の中にしていくことにご協力してください。

まず、苗の話です。二酸化炭素を吸収してどんどん木は大きくなっていきます。森になります。50年、60年、70年、80年と大きくなった木は少しずつCO2の吸収力が減ってきますので、より多く吸収する苗に植え替えていくためには伐らなければいけないですね。この伐らなければらないというところがなかなか伝わらないのですが、伐った材をすぐ燃やしてしまうと折角吸収したCO2を排出することなります。私ども住友林業では、家に活用することでCO2を固定して、60年間そのまま燃やさずに住んでいただければ、その間に苗がまた1本育つというサスティナブルな事業を理念として進めています。最近では製材にしたときや建築中に出た廃材を木質バイオマス発電でエネルギーに変える事業も行っています。木を育て、木でまちをつくるということをテーマにしています。その木造化・木質化、木化で、「木と生きる幸福。」というブランドメッセージをグループ全体で掲げまして、高齢者施設や児童施設、商業施設等に木造化・木質化を進めている最中です。

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今日、皆さんにその木の価値を発見していただきたいなというところを2つ紹介したいと思っています。まずその1つ目。

もともと木が人に優しいとか、気持ちいいとか、リラックスとか、これは何となく皆さんもご理解いただけると思うのですが、その科学的実証の研究を今進めています。科学的実証というのは数値化で判断するということです。木の良さが今はまだ数値化されていないので、なかなか皆さんにお金を払って買っていただく価値になっていないのかなと思っています。

もともと人間は生物です。生物的テクスチャーという、絹とか木綿とか皮とか、そして、木とか、こういうところに接していることが心やすらぐようにもともと組み込まれています。子供たちはそれを一番感じているのですね。建築学的に言うと、人のそばには生物学的なものが気持ちがいいと言っているのですが、残念ながら、燃えてはいけないとか、汚れてはいけないとか、長持ちしなければいけないということでだんだん自然素材から離れていっているというのが現実です。ですので、もう一度建築を生物学的根拠で考え直したらどうだというのが今問われています。

2011年3月11日に東北を襲った東日本大震災の際、当社として何ができるのかを考え、陸前高田において私どもが持っていた木を使って木造のカフェをつくらせてもらいました。中も特別なことは何もしていないです。柱とか普通に住宅で使っているものだけで空間をつくらせてもらいました。数値化であらわせない本当の木の効果を私は実感しました。泣いていた皆さんが、笑えるような空間になりました。今では料理教室やコーラスの練習、お花、つるし雛とか、皆さんの集まるコミュニティが形成されました。非常に底力を感じました。本当に木の力で助かったわと。4人のNPOの方々が頑張ってご支援下さったのです。これがまず1つ目の私の再発見で、、皆さんも木のよさをもう一度再認識いただければと思います。

住友林業株式会社

子供たちが今、自然欠乏症候群じゃないかと言われています。切れやすいとか、落ちつきがないとか、いろいろなことが子供たちに出てきていると言われています。環境ホルモンとかいろいろな環境のせいだと言われているのですが、実は自然に触れていないからではないかと言われています。欧米ではこれが病気として認識されているそうです。ぜひ子供たちにもう一度、木と緑の時間を、特に都市部に住んでいる子供たちにそうした時間をつくってあげたいと思っています。

住友林業の住宅事業の展示会を1カ月間にわたり開催しましたが、その間、」木と触れ合える子供たちの遊び場を用意しました。お母さんたちが家で見たことのない笑い声をしていたということで、確かにいい顔をしています。それが本当の木の価値だと私たちは思っております。ぜひここに表れている木の価値を再認識してただきたいと思います。

もう1つ、流通材、住宅でよく使われている材料、直径10.5cm角の柱材を、デザインと防災性とエネルギー性を全部イメージして活用したらもっといいことができるのではないかと考えています。一番使われている材料をもう1回使ってみようという話をさせてもらいます。

2年前にお台場で日本デザインセンターの主催でHOUSE VISIONというイベントをしました。そのイベントで建築家の隈研吾氏に、杉の10.5cm角の柱材を使ったデザインを提案させてもらいました。柱を井桁に組んでデッキもこの材で敷き詰め、非常にきれいなものができました。私たち住宅で柱を使っている者としては見違えるようでした。 きょうも展示ブースに杉の柱材を並べてありますが、小さな場所でも新しい価値を表せているか。是非、後でご覧になってください。

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もう一つ、東北の話に戻りますが、少し感動した話があったのでお伝えします。美しくたくわえる「美蓄」という言葉を使って、被災した宮城県のある復興担当の方が私に伝えてくれた話です。

非常時のために倉庫にしまっておく備蓄を、平常に美しく置いておけばきれいなたくわえになるよねというのです。先ほどの写真のように、木を組み上げて蓄えて、専門の人がいなくても、地域の人が取り外し方を知っていて、近くにバイオマス発電所があったら、その木を運んでいけば1日2日の間は電気がつくのではないか、というようなことを私に伝えてきました。

大切にして美しく愛着を持って、もしものときにはみんなで活用する防災意識が共有できたら本当に良い日本になるのではないかと、非常に感動したお話でした。

お伝えてきましたとおり、木の価値をもう1回皆さんが再認識していただければ、日本にはすごい力、資源が蓄えられています。特に地方にあるので、ぜひこれを今から子供たちに、未来の子供たちにこの価値を伝えていくために、今ここにお集まりの大人の皆さんが、ぜひこの子供たちの心に植林していただけたらいいなと思っております。

子供たちに何かを伝えられること、未来に向かって伝えられることができたら非常にうれしいと思っていますので、それを願って今日の話を終わらせていただきます。

ありがとうございました。

※本サイトに掲載の役職・肩書き・講演内での情報は平成27年2月11日当時のものです。

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