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2017年3月30日 放送
心に寄り添って営業中!小さな"感動食堂"SP

- 未来食堂 店主 小林 せかい(こばやし せかい)
- こども食堂 店主 近藤 博子(こんどう ひろこ)
人や地域のつながりが希薄化する中で、2つの"食堂"が、小さな奇跡を起こそうとしている。都心のオフィス街に2年前にオープンした風変わりな食堂が注目を集めている。「未来食堂」は、客が店を手伝う「まかない」、それによって手に入れる「ただめし」など、客と店が"つながる"不思議なシステムが盛りだくさん。徹底した"効率経営"と、"客と一体化した店作り"で、食堂の新たな可能性を模索している。一方、「子ども食堂」は経済的困窮や孤食に陥る子どもたちに向けて、低料金で温かい食事を提供する取り組み。地域のボランティアが中心となって、いまや全国で300カ所以上開設されている。子どもたちの新たな"居場所"としてその役割に期待が寄せられている。独自の発想と信念で、失われた社会の"絆"を取り戻そうとする、2つの"感動食堂"を紹介する!
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RYU’S EYE
座右の銘
放送内容詳細
“ただメシ”でも黒字!?未来食堂
「ただめし」を食べることができる定食屋、しかし毎日が黒字経営。そんな嘘みたいな食堂が「未来食堂」。店主・小林せかいさんは、東工大卒業後、IBMなどでエンジニアを務めた異色の経歴を持つ。客が店を手伝う「まかない」や、客が食べたいものを注文できる「あつらえ」などの独自のシステムは、人件費や在庫ロスを減らす効率策。その一方で、店と客が不思議なつながりを覚えるというユニークな仕掛け。どこか懐かしい「食堂」が持つ“温かさ”を現代的な手法で再現しようと奮闘している。
なぜ日本の子どもが貧困なのか?こども食堂
全国に広がる「子ども食堂」。その発祥地は東京・大田区の八百屋さん。その店主であり「子ども食堂」の名付け親でもある近藤博子さんは、7年前、小学校に「給食以外をバナナ一本で過ごす児童がいる」ことを知り、子ども食堂を立ち上げた。毎週木曜に開かれる食堂には、様々な事情を抱える子どもや大人が集う。いま社会で広がる貧困や孤食に対して、地域の力を結集させて、新たな“居場所”作りに励んでいる。
ゲストプロフィール
小林 せかい
- 1984年生 大阪出身 32歳
- 東京工業大学卒業、日本IBMなどを経て起業
企業プロフィール
- 業種:飲食店経営
- 開業:2015年9月
- 住所:東京都千代田区
近藤 博子
- 1959年生 島根出身 57歳
- 歯科衛生士、「気まぐれ八百屋だんだん」店主
企業プロフィール
- 地域のボランティアなどが中心となり
- 低料金で食事の提供や学習支援なども行う
- 2012年 東京・大田区でスタート

「普通」が消えつつあるように思う。「普通の高校生」の偏差値はどのくらいで、「普通のサラリーマン」の年収はいくらなのだろう。多くの人が、自分は特殊で、普通ではないと悩んでいる気がする。生きづらい社会、暖かな食事と、「普通」を提供する食堂が生まれている。「子ども食堂」「未来食堂」は、誰もが普通でいられる「場」を作った。「世間」と呼ばれる親密で小さな共同体が機能していた1960年代のように、人々は食堂に集まり、他にも似たような人がいることを確認できる。そこには、新しい「懐かしさ」がある。