シネ通! Cine-tsu

10月3日(土)スタート!毎週土曜夜11時55分

明日何の映画をみたらいいの? 本数が多くてどれがいいかわからない。 そんな疑問を持っているあなた!その悩み、「シネ通!」が解消します。 ハリウッド大作から単館作品まで、様々な映画に関する情報を、どこよりも早く紹介。この番組を見れば、あなたも“シネマ通”です!

COLUMN コラム

ダークボの偏愛コラム

#46 思い出の『ウォルター少年』

あっという間に今年の夏休みももう終わり。
毎年この時期になると観たくなる、忘れられない1本の映画について書いておきたい。ハーレイ・ジョエル・オスメント君主演の『ウォルター少年と、夏の休日』(2003)。

1960年代、母子家庭で育ったウォルター(ハーレイ君)は、「いい男」探しに余念のない母親(ケヴィン・ベーコンの奥さん、キーラ・セジウィック)の都合、というか厄介払いで、テキサスの片田舎で暮らす爺さん2人(マイケル・ケインとロバート・デュヴァル)と夏休みを過ごすことになる。
爺さんたちは相当な変わり者で、ウォルターは最初は何とか逃げ出そうとするのだが、屋根裏部屋で見つけた美女の古い写真をきっかけに、2人の若き日の冒険譚を聴くようになり、そのウソかホントかわからない壮大な物語に魅せられて行く…。

息子は強い父親の背中を見て育ち、父は息子を「男」にする、という、古き良きハリウッドの伝統に思いを馳せた佳作である(父親の世代に夢がないので、爺さんと孫の話になっているが)。
でもこの映画が俺にとって特別なのは、今はなき『木曜洋画劇場』で最後に担当した作品だから。

何かと思い出の深い映画である。まず劇場公開前、当時の配給会社の某重役から、この映画への熱い想いを(明らかにビジネス抜きで)語られて興味を持った。後日、テレビ東京のために設定してくれた試写を観て大感動。
その後、放映権セールスというビジネスの段階になって、再び某重役の熱弁を聴く。正直、単純アクションやサスペンスを得意とする『木曜洋画劇場』で活かせるかどうか不安はあったが、これを買わなきゃ男じゃない、とばかりに購入を決定。そして満を持して放送計画を立てたところで、人事異動で番組を離れることになってしまった。

実はオンエア日は異動の後だったのだが、後任の好意で、吹き替え版制作に取り組ませてもらうことになった。
最後のご奉公ということで、昔なじみの田島荘三さんに演出をお願いし、セリフの細部まで練りに練った。M・ケインとR・デュヴァルには、わが敬愛する中村正さんと大塚周夫さんをリクエスト。ハーレイ君は本人が声変わりしていたので悩んだが、田島さんの推薦を信じて本田貴子さんに。
結果として、この顔ぶれは期待以上のアンサンブルとなり、俺はアフレコ現場で何度も泣きそうになった。完成版を観ても、毎度同じところで泣く。
無事オンエアにこぎつけ、視聴率はまあまあ、くらいの結果だったが、個人的には「いいものを残せた」と満足している。その後はNHK(字幕版)でしか放送されていないが、機会があればぜひ『木曜洋画』バージョンの吹き替え版もご覧頂きたい。

トリビアを1つ。
この映画の脚本・監督を務めたティム・マッキャンリーズは、傑作アニメ『アイアン・ジャイアント』(1999)の脚本を書いた人。
大人になったウォルター(ジョシュ・ルーカス)はイラストレーターになり、懐かしい爺さんたちの家をイラストに描くのだが、デフォルメされたこの建物が、アイアン・ジャイアントに見えます。
気のせいだよ、という人もいるが、俺には自信がある。確かめてみて下さい。

『ウォルター少年と、夏の休日』を配給した日本ヘラルド映画は今はもう無く、前述の某重役も社を去られた。そして41年続いた『木曜洋画劇場』は終わり、その後を継いだ『水曜シアター9』もこの9月いっぱいで番組表から姿を消す。
去りゆくものに思いを馳せる、2010年の夏。

トップページへ

COLUMN

バナナマン設楽統の“映画みたよ”

マイペースに更新 バナナマン設楽統の“映画みたよ!”

メロディー洋子 シネ通!な日々

メロディー洋子 シネ通!な日々

闇の映画仕切人 ダークボの偏愛コラム

闇の映画仕切人 ダークboナイトの偏愛コラム

PRESENT

プレゼント
テレビ東京系列 携帯懸賞サイト
「もばいるたまてばこ」(もばたま)
からご応募下さい。

詳しくはこちら。

QRコード