桜舞う四月。
俺-支倉孝平-は、転校生活に終止符を打つべく、珠津島の学校に転入した。新しい学舎は修智館学院。

かなりの進学校だとか、キリスト教精神に基づく伝統校だとかは
割とどうでもよくて
いちばん大切なのは《全寮制》だってこと。
これなら、転勤族の親父に連れ回されることもない。

俺はようやく自由を手に入れたのだ。
寮の一室で目覚め、友人と登校。
充実した授業を受け、帰寮。
夜は思い思いの時間を過ごし、就寝。

そんな、落ち着いた毎日が待っているはずだったのだが......

気力体力ともに溢れる副会長、
はかなげで清楚な後輩、
ミステリアスなクラスメート、
常識から大きく外れた寮長、
気苦労の絶えない幼なじみ、

知り合ったのは個性的すぎる人ばかり。
賑やかにならないはずがない。

転校ばかりの過去に置き忘れたものも
得ることができなかったものも
ここでなら、取り戻せる気がする。

今はまだ、おぼろげな形しか見えないけれど。