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2006年04月24日

悲惨な一日

「子供が親を殺したり
親が子供を殺したり、なんて世の中だよ。」

Mデスクが思わずのけぞった。

何か事件が起きると、3階の報道フロアでは
通信社から音声で速報が流れるようになっているのだが

つい今しがた

「名古屋で両親が子供の頭を灰皿で殴って死亡させた」

とアナウンスが入った。

その瞬間にあちこちから声が上がる。
「ひどいなあ、なんて事件だ」

さっきは埼玉で息子に両親が撲殺されたというニュースがあったばかりだ

今日の番組の司令塔
C女史がとっさに動く。

パソコンで名古屋までの行き方を調べたり
最新情報を集めて記者が取材に行くための手はずを整えたりする。

Kデスクが驚いたように言った。
「被害者は28歳の娘だぞ」
C女史がいう
「私と同い年ですよ。しかも夫婦で、というのが理解できませんね」
「凶器が灰皿というのも・・・何があったんだろうな」
「警視庁の記者が現場にいけるそうです」

あちこちに電話をしながら取材態勢が整えられていく


ニュースを伝えるときはさまざまな可能性を探る。

真実がなかなか見えない中で
事実を正確に伝えるために必要な手配を瞬時にするのだ。

いつ・どこで・だれが・どうして・何をした。

今の段階では
親が子供を灰皿で殺害した。

これだけしかわからない

でもきっと当事者にしかわからないさまざまな要因が事件の根底にはある。


痴呆症の妻の介護に疲れて
思わず手をかけてしまった老人が自ら出頭してきたと言う事件。

ひきこもり暴力を振るう息子をみかねて殺害してしまった父親

罪を憎めども
人は憎めない、そんな切ない事件も数多くある。

そしてまた続々とニュースが入ってきた

岐阜では行方不明になっていた中学2年生の女子生徒が空き店舗で遺体で見つかった。

北九州では女性二人が餓死。一人が衰弱し病院へ運ばれた。
母と娘と見られているが死後一年以上たっていると見られているそうだ。

キャスター席に置かれたお土産の八ツ橋。

胸が痛んで手に取れなかった。

 
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