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ガイアの夜明け2012年



報道局報道番組センター
野口 雄史
2000年代初頭、日本経済はバブル崩壊以来の「失われた10年」を抜け出せずにいた。"経済のテレビ東京"ならではのやり方で、風穴を開けよう――。そうした着想からたどり着いたのが、経済×ドキュメンタリーという常識を覆す型破りな番組。現場の奮闘だけに限らず、日本経済のリアルな姿を映し出すために、『ガイアの夜明け』は生まれた。
- 『ガイアの夜明け』が番組づくりの過程で重視されていることは何ですか?
- 企業の取り組みが時代に即していて、なおかつ普遍性のあるメッセージがあるかどうかを基準にテーマを選んでいます。たとえば『世界を救うニッポンの技術~企業の果たす社会貢献とは?~』(2008年6月3日放送)では、大阪の浄化剤メーカーと大手化学メーカーの2社を取り上げました。前者は、飲み水をきれいにする浄化剤を開発し、会長自らがバングラデシュで使い方の指導からろ過装置の設置まで行った。後者は、マラリアの感染防止のため、殺虫効果のある蚊帳の普及に尽力した。ちょうど当時は、企業の社会的貢献やCSRに対しての関心が高まりつつあった頃で、時代を少し先取りした企画として成功だったと考えています。
- 番組としてはその回を通じて、何を伝えたかったのでしょうか。
- "これからの時代に求められるCSRの在り方"です。見終わった後に、何らかのメッセージを視聴者の心に残せるテーマを選んでいます。企業や人の頑張りを紹介することで 日本経済も元気になる…。それが『ガイアの夜明け』らしさだと考えています。ありきたりにならないように、独自の視点でメッセージを伝えられるよう意識しています。
- まさしく、『ガイアの夜明け』で時代の求めるCSRを届けているわけですね。その一方で、やはりテレビ番組としての魅力もなくしてはいけない。その辺りの工夫は?
-
「ガイアの夜明け」ニッポンの生きる道・
第4弾 地球を救うヒット商品とは
(2012年9月11日OA)それは、視聴者との接点をつくることです。どんなに伝えたい想いがあっても、1時間興味を持って番組を見てもらえなければ伝えきれない。たとえば、10周年シリーズ企画「ニッポンの生きる道」弟4弾『地球を救うヒット商品とは』(2012年9月11日放送)では、環境に優しくて作り手にも優しい自然素材でタオルをつくろうと、世界各地を飛び回る製造小売業のバイヤーを追いかけました。
- 具体的には、どのような点が視聴者との接点になるのでしょうか。
- 言葉で"地球を救う"と言ってしまうと自分とは関係がないテーマのように感じてしまうかもしれませんが、誰にとっても身近なタオルというアイテムと結びつけると、「ちょっと見てみようかな」と。それが、視聴者が番組に興味を持つきっかけになるのではないでしょうか。でも、本当に伝えたいのは、その裏側にある企業努力やモノづくりへの信念。そこに導くためのきっかけを用意しておくということです。
- 番組の作り手として大切にされている姿勢、周囲のスタッフに大切にしてほしいと思っている姿勢についてお聞かせください。
- 視聴率だけにとらわれない"ガイアらしさ"を貫くことです。特に、放送開始当初は思うように視聴率がとれず、作り手にとっては苦難の時期でした。もちろん、営業担当も編成担当もみんな苦しかったと思います。しかし、もしあの時、視聴率がとれる番組の手法をまねて姿勢を変えていたら、10年間も番組は続かなかったかもしれません。今があるのは、やはり制作者側がぶれることなく、姿勢を変えずにつくり続けてきたからだと思います。その結果、視聴者側にも「新しい情報を得られる」「見たことのないものが見られる」など番組への期待感と信頼感が生まれていったのだと思います。
- 番組の形として、特に意識されていることはありますか。
- 「人物を見せる」と「経済を映し出す」という2つの要素が、バランスよく成立しているドキュメンタリーに仕上げることです。どちらに偏っても"ガイアらしく"なくなってしまうので、編集と修正作業を繰り返します。そこだけは、決して妥協しません。
- それだけの信念を込めてつくった『ガイアの夜明け』を通して、伝えたい想いを語ってください。
-
今まさに、ビジネスの現場で奮闘している人たちがいる。『ガイアの夜明け』でその姿を伝えることで、視聴者が「自分も頑張ろう」と思い、現状から一歩でも踏み出してみるきっかけにしてもらえたらうれしいです。今の時代、多少の努力や改善では何も変えられないかもしれない。それでも、その厳しさの中で新たな活路を見出している人や企業が間違いなくあるということを伝えていきたい。
- その結果として、視聴者にはどんなことを感じ取ってほしいと思われているのでしょうか。
- 企業や人が本気で頑張る姿は視聴者に元気を与えてくれると思いますし、"厳しいけれど、真っ暗ではない"と日本経済の可能性を感じてほしい。それが、『ガイアの夜明け』なりの日本経済を応援する姿勢です。この番組で果たす最も大きなCSRは、日本経済に射す様々な光を見せていくことだろうと思っています。
- 他のステークホルダーに対する働きかけも含め、今後挑戦していきたい取り組みはありますか?
- たとえば、校外学習を通じて学生や教育現場と対話をするなど、番組に付随しつついろいろな展開が期待できる活動を行っていきたい。特に、若い世代の人たちは日本経済の不況しか知らずに育ってきたわけですが、だからといって未来に失望してほしくない。『ガイアの夜明け』をきっかけに、「頑張って働く大人ってかっこいい」「働いて世の中に役立ちたい」と思ってもらえたらいいというのが我々の願いです。
- 企業や社会との関わりに対してはいかがですか。
- 世の中を良くする商品やサービスを届けている企業や人を取り上げ、それによって日本経済の活性化につながっていく。企業や人の頑張りと視聴者を、そして日本経済を結びつけていくということを、これからも地道に全うしていきたいと思います。

報道局報道番組センター
野口 雄史
1990年入社。営業局CM部、スポット営業部を経験。1998年に報道局経済報道部に、2000年から報道局ニュース取材部に移り国会担当キャップに。『ガイアの夜明け』立ち上げに参画し、2002年はディレクターとして、2003年下半期からプロデューサーを約6年間務める。2011年10月から『ガイアの夜明け』チーフプロデューサーとして復帰。