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いい旅・夢気分2011年



株式会社テレビ東京制作
神山 祐人
日本全国、津々浦々の名所を旅してきた『いい旅・夢気分』。放送開始から26年、1200回を数える長寿番組です。四季の移ろいや土地が誇る魅力など、どんなに時代が流れても変わらない日本各地の素晴らしさをたっぷりと伝え、視聴者の旅心をくすぐる番組として愛され続けています。
- まずお伺いしたいのですが、そもそも"いい旅"ってどんな旅でしょうか。
- ある人にとっては、人生の記念となる思い出の旅行。またある人にとっては、いつか行ってみたいと思う憧れの場所への旅行。人によって違うけれども、日本人なら誰もが感じるであろう"いい旅"をスタッフが頭の中で丁寧に思い描き、視聴者が見て「やっぱり旅行っていいな」と思っていただく。それが、『いい旅・夢気分』だと考えています。
- プロデューサーに就任された時、番組にはどんな印象がありましたか。
- 就任したのはちょうど、東日本大震災が起こった後だったんです。それこそ、"夢気分"なんて言っていられる状況ではなかったですね。ともすれば番組存続の危機になりかねない状況で引き継いだわけですが、逆に「旅って何だろう」「今、番組を通じて何ができるだろう」と考えられたのはよかったと思います。
- 実際に、東日本大震災による影響は大きかったのでは?
-
『いい旅・夢気分』4回連続
東北応援シリーズ この夏は東北へ行こう!
(2011年7月13日OA 福島)これまで、番組では東北地方のいろいろな観光地のお世話になってきましたし、制作スタッフからも「ぜひ被災地に恩返ししたい」という声があったので、「4回連続東北応援シリーズ この夏は東北へ行こう!」と題した特別企画を実施しました。
- 恩返しというのは、東北地方に対して?
- そうですね。各地に住まわれている現地の皆さんを含めた、土地に対する恩返しです。なぜなら、『いい旅・夢気分』が大切にしているのは"土地=主役"という考え方ですから。これは、放送開始から26年間受け継がれてきた番組の本質でもあります。
- その考え方は、具体的にどんな演出につながるのですか。
- たとえば、現地での映像やコメント一つをとっても、その土地の魅力や素晴らしさが感じられる内容は、絶対にはずしてはいけない。番組の出演者と現地の方々との関わり方や自然風景を撮るにしても、魅力的な土地として記憶に残るように番組をつくり上げていくことを意識しています。
- 番組で取り上げる土地の選定基準は?
- 最も大切なのは、季節感。つまり、王道の時期に王道の場所に行って、その季節ならではの雰囲気を演出するというのが、土地を選定するうえでも重要な基準になります。春なら桜の名所、秋なら紅葉、冬なら雪見の露天風呂。日本人の感覚に響く四季の移ろいを感じられる土地を紹介したいと思っています。
- その土地の魅力をストレートに伝えるということでしょうか。
- たとえば撮影中に雨が降ってきたら、雨の日ならではの魅力を探す。コメントも、できる限り出演者より現地の方からいただく。それは、土地の魅力をごく自然に引き出したいから。主役である土地が発信する魅力を、番組を通じて視聴者へ届けているという発想です。
- テレビ番組として、土地が持つ四季折々の魅力を映し出すわけですね。
- テレビというメディアが担う大きな役割の一つは、その時々の風景を映像に残すことだと思っています。時代が移れば新しいものは古くなる。あったものがなくなることもあれば、その逆もある。日本各地の様々な風景を記録し、そして視聴者や現地の方々に「これからも残していきたい」と思っていただければ、番組冥利に尽きますよ。
- 土地の魅力を残していくために、望ましいアクションはどういったものでしょうか。
-
それはやはり、番組で紹介した土地へ視聴者が実際に足を運んでくれることですね。その結果として、地域の活性化につながる可能性も見えてくると思いますよ。土地に活気があれば、その魅力も失われることなく守られていくでしょう。番組づくりを通じて、日本の風景を次世代に残すことにも貢献できれば、そんなにうれしいことはないですよね。まさしく、"土地=主役"の『いい旅・夢気分』が行うべき地域貢献だと思います。
- “土地=主役”の発想は、これからも変わらず守られていくものですよね。
- もちろん、これまでもこれからも変わりません。四半世紀も受け継がれてきた発想ですから、今後も絶やすことなく守っていきます。
- 逆に、変化させていきたいことは?
- 番組の内容は、時代の変化や視聴者のニーズに合わせて変え続けていくものです。旅自体は江戸時代から続くエンターテインメントで、日本人にとって最もなじみ深い楽しみの一つだと思います。これからもきっと、なくなることはないでしょう。普遍的なエンターテインメントだからこそ、伝え方や見せ方の工夫にこそ番組づくりのこだわりや『いい旅・夢気分』らしさを出していけたらいいですね。

株式会社テレビ東京制作
神山 祐人
制作会社で約10年間ディレクターなどの経験を積み、2003年に入社。制作局CPチームに配属され、『ド短期ツメコミ教育 豪腕!コーチング!!』『決着!歴史ミステリー』『田舎に泊まろう!』などのディレクターを担当。2011年4月にテレビ東京制作に出向。『いい旅・夢気分』のプロデューサーを担当。