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孤独のグルメ2012年



編成局ドラマ制作部
川村 庄子
グルメドキュメンタリードラマ『孤独のグルメ』は、現代社会における一つの"食"のあり方を独特のタッチで描いています。食べることの幸せ、情緒ある地域の魅力、そして、人と人との結びつきやそのあたたかさとは――。『孤独のグルメ』には、心に響くさりげない優しさが満ちています。
- 『孤独のグルメ』の原作は90年代に発表されたマンガ作品ですが、なぜ今、ドラマ化されたのですか?
- 『孤独のグルメ』は、井之頭五郎という中年・独身・雑貨輸入商の男性が、一人で自由においしい食事を楽しむ姿を描いた作品。いわば"ひとり飯"がキーワードです。原作が定期連載されていた当時に比べ、今はよりひとり飯の時代になってきました。しかも、食を扱ったドラマはたくさんありますが、ひとり飯にフォーカスを当てた番組は、ありそうでなかったジャンル。また、主要な登場人物も五郎のみというシンプルだけどどこか尖った世界観もテレビ東京らしいと思い、今回のドラマ化に至りました。
- では、ドラマ『孤独のグルメ』のコンセプトをお聞かせください。
- それは、視聴者の方にちょっとした幸せを感じていただくドラマにすることです。おいしいものをおいしく食べるというのは、純粋な幸せだと思うんですよね。五郎の姿を通して、食事を楽しむという誰でもいつでも手の届く小さな幸せ、ささやかな癒しを感じてほしいと思っています。
- 原作はありつつも、登場するお店もストーリー展開もすべてドラマオリジナルで制作されていますね。『孤独のグルメ』の世界観を表現するために心がけていることは?
- 50代に差しかかる五郎の目線で世界を見ることを意識しています。たとえば、昭和の雰囲気が残るような、日本文化や下町情緒が残る街を選ぶことも多いです。そして、五郎が食事を楽しめそうな雰囲気のお店を選ぶことが大切ですね。まずは、スタッフが一般客として出向いて食事をし、「これはおいしい!」と思ったら交渉スタート。お店の了承を得られたら、他のスタッフと脚本家もやはりお店を訪れ、その街の雰囲気を感じながらストーリーを考えていきます。街ありき、店ありきで、実際の空気感を活かしながら『孤独のグルメ』の世界観を構築したいと思っています。
- 制作時のこだわりはいかがですか? Season1~3に至るまで、実に多様なお店が登場していますが…
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孤独のグルメ Season3
第2話「神奈川県横浜市日ノ出町チートのしょうが炒めとパタン」(2013年7月17日OA)このドラマの基本は、リアリティ。ストーリーも街や店ありきと申し上げましたが、現実に忠実であることを大切にしています。たとえば、ドラマに登場する料理は必ずお店の方に作っていただいたもの、つまり、実際にお店で供されている料理を撮影しています。編集時にも、食べ物に湯気を足したり色味を変えたりといった加工は基本的に行っていません。ドラマに登場するのは現実のお店ですから、たとえ"粗があっても嘘をつかない"というスタンスです。その分、食事は可能な限り時間をかけて気を配りながら撮影しています。
- お店の方のご理解とご協力が非常に重要なのですね。
- その通りです。ご協力いただくからには喜んでいただきたいです。またご了解をいただいた上で、裏メニューを紹介することもあります。Season3の第2話(2013年7月17日放送)では、「パタン」という料理が登場します。これはメニューに記載されていない"裏メニュー"なのですが、常連の皆さんが召し上がる人気の一品でもあり、お店の方に了解いただきドラマでも取り上げました。ありがたいことに、「孤独のグルメ」の頃から放送後にお店を訪れる視聴者の方が多いのです。実際に足を運ばれるからこそリアリティが大切ですし、その街やお店の魅力を伝えるドラマを作ることで、地域の発展に貢献できることが望ましいと考えています。
- 現代社会において、『孤独のグルメ』はどんな働きかけができるとお考えですか。
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昨今は核家族や晩婚の方が増えていますし、家族がいても仕事があって一緒に食事をとれないという方も多いと思います。ライフスタイルの多様化に伴い、食事のあり方も一様ではなくなってきました。『孤独のグルメ』の五郎も、さまざまなライフスタイルの中の一つの姿なのでしょう。"孤独"と冠してはいますが、五郎は本当においしそうに幸せそうに食事を楽しんでいますよね。たとえ"ひとり飯"でも決してさびしいものではなく、現代の多様なライフスタイルの一面なのだということ、そして、どんなスタイルでも純粋に食を楽しむことの喜びを伝えられるのではないかと考えています。
- 最後に、これから挑戦したいことをお聞かせください。
- 私自身は、視聴者の心に寄り添いつつもさらに一歩先行くドラマ、そして自分が面白いと感じたことには決して妥協しないドラマを作り続けていきたいです。『孤独のグルメ』に関しては、登場していただいた地域やお店の方々とのつながりを大切に、お互いに支え合いながら発展していけるドラマにしていきたいと思っています。

編成局ドラマ制作部
川村 庄子
2008年入社。前職の制作会社でも主にドラマプロデューサーとして制作に携わってきた。入社後はLドラ『ママはニューハーフ』などを担当。2009年10月に編成局BS編成担当となり、幅広い番組の編成を経験。2011年10月に再びドラマ制作部に戻って以降は、水曜ミステリー9やドラマ24枠のドラマ制作を担当している。