- ホーム
- 番組・コンテンツづくり
- 放送・制作現場での取り組み
- 照明革命
- テレ東の人に聞いてみた
- 放送・制作現場での取り組み
- 「安心・安全」なアニメ番組を届けるために
- 環境配慮を見据え創意工夫を凝らしたモノづくりを
- 『劇場版トレインヒーロー』
3・11を忘れない!東日本大震災復興チャリティイベントのご報告 - 「和ちゃんとオレ」試写会&トークイベントを開催
- 地域の"人間力"あふれる人々にスポットを
~2013年度「人間力大賞」の選考委員を務めて~ - 初収穫の米を「虎の門市場」で販売
- 作るだけではない我々の役割 ~「高校生フィルムコンテスト」
- "被災地の記憶"を伝え続ける ~「ニュースアンサー」
- 「田舎に泊まろう!」で伝えたいこと
- ドキュメンタリー「農民ロッカー ガレキに花を咲かせましょう」
- 「木曜8時のコンサート」でご招待
- スタジオ照明 電力削減
- 廃棄する放送機材の再資源化
- 情報のバリアフリー化に向けて
- エコプロダクツに参加
- 震災ドラマ企画で報奨金を寄付
- 照明技術とテレビ映像の発展に
向けて - メディアリテラシー特番
- エコ仕様スタジオ "7スタ"
- びっくり!カイシャ見学
- 番組でCO2オフセット
- 女子高生コラボTV ~女子高生が考えた女子高生のための番組~
- エリザベス サンダース ホームに寄付
- 使用済みテープのリサイクル
- ドラマスペシャル 白旗の少女
- 奇跡のキズナ?未来を創る革命児たち?
- トンネルの向こうはぼくらの楽園だった
- ザ・ドキュメンタリー 日雇いの最終章?医師が見る山谷のいま
- 100円玉に愛をこめて2☆世界の子供たちのために☆
- 世界驚愕リサーチ 数字は嘘をつかない!2
- ドラマスペシャル 三十万人からの奇跡?二度目のハッピーバースデイ
- みんなで応援バラエティ THEぼきんショー
放送・制作現場での取り組み
照明技術とテレビ映像の発展に向けて
「第31回全国テレビ照明技術者会議」が、2012年10月25日(木)、26日(金)の2日間にわたり開催されました。本会議は、公益社団法人日本照明家協会の主要行事の一つで、年一回、日本放送協会と在京民放キー局を中心に持ち回りで幹事社を務めて運営。今年はテレビ東京が12年ぶりに幹事社となり、大手町の日経ホールにて開催しました。
全国のテレビ映像で活躍する照明技術者、映像技術者が一堂に会する本会議は、様々な分野から講師を迎えての講演や、協賛メーカーによる機材展示会などを行い、最新技術を得る場として、また貴重な意見交換の場として、照明技術の研鑽とテレビ映像分野の発展に重要な役割を果たしています。
今年の会議を開催するにあたり、テーマを照明革命~新たな
この数年、「ECO」は世界的なテーマとして、照明(光)に影響を与えており、まさに「革命」が起きています。省エネ機材の開発、LEDの光、その導入と効果が急速化する中、コンテンツ制作に携わる私たちは、これまで以上に上質で高品質、高画質な映像を届ける映像制作者の責務を担っています。そのような環境において「"テレビ"がこれまで以上に魅力的で思わず心が騒ぐような"彩(いろどり)"にあふれ、優れたメディアであるように」という思いを込めました。

今年は、全国の照明技術者、映像技術者に加えて、一般参加者、来年度入社予定の内定者、将来放送業界をめざす学生など約380名が参加し、活気に満ちあふれた会議となりました。また、会議1日目終了後のレセプションパーティには約270名が出席し、大盛況となりました。

会議に参加する学生たち

レセプションパーティー
会議初日の基調講演では、映像メディアに携わる私たちに密接な関係にある「色彩表現」について、より多くの色覚型に配慮したカラーユニバーサルデザイン(CUD)について研究、調査されており、「色覚バリアフリー」の権威である特定非営利活動法人カラーユニバーサルデザイン機構の伊賀公一氏にご講演いただきました。地下鉄の案内板やテレビのリモコンなど、ふだん、私たちが生活している周りでも、CUDに対応したカラーリングが増えています。正確に情報を伝えるために、またこれからのテレビの"彩(いろどり)"を考えるうえで、放送メディアに携わる私たちが積極的に配慮し、取り組むことの大切さを感じました。

今年の会議は44社のメーカー各社が協賛し、会場には38社の展示ブースが並びました。LEDを中心とした省エネ機材からユニークなオリジナル機材まで、最新技術がラインナップされました。大勢の参加者で大変賑わい、活発な意見交換の場となりました。



最新技術がラインナップされた展示会
午後の部の最初の講演は、第35回日本アカデミー賞話題賞(作品部門)ほか、4部門で優秀賞を受賞し、映像業界から注目を浴びた映画「モテキ」の大根仁監督をゲストに迎え、テレビ東京・相内優香アナウンサーの進行で、ドラマ&映画「モテキ」の制作秘話や"映像力"のあるコンテンツ制作について、様々な角度から貴重なお話を伺いました。最後に大根監督から、特にこれからの活躍に期待を寄せて送った"時間を大切に"というエールは、きっと多くの学生の心に響いたと思います。

ドラマ&映画「モテキ」大根仁監督のスペシャルトーク

学生たちが講演を聞いている様子
そして会議初日の特別講演として、「光感受性発作とテレビ映像」について、テレビ東京・松下弘幸執行役員技術局長より講演。1997年12月16日にテレビ東京系列で放送されたテレビアニメ「ポケットモンスター」第38話を見た700人近くの視聴者が光感受性発作を起こしたことから、テレビ東京では番組制作に関わる全従業員に研修を実施するとともに、日々の制作工程において、「目視と点滅など検出装置」による映像チェックなど、再発防止に取り組んでいます。日本民間放送連盟と日本放送協会で作成した「アニメーションなどの映像手法に関するガイドライン」作成にも主体的にかかわっており、その経緯及び詳細を、当時の映像やさまざまな事例映像とあわせて解説しました。昨年から地上デジタル放送になり、テレビの大型化、高精細化が進み、鮮明で美しい映像が届けられるようになった一方で、より安心で安全な映像を送り続けることは、"映像制作者"である私たちが常に留意すべき大切なことであると心を新たにしました。

「光感受性発作とテレビ映像」についての講演

会議2日目は、平成23年度日本照明家協会協会賞テレビ部門大賞・文部科学大臣賞を受賞した株式会社TBSテレビ・近藤明人氏による「第53回輝く!日本レコード大賞」の照明についての講演で始まりました。東日本大震災を受けて、制作、美術、技術が一丸となって議論を重ね、番組コンセプトや映像トーンをつくり出していく過程や、照明設計のワークフローから代表的な楽曲の照明プランまで、丁寧に解説。将来、照明家をめざす学生の真剣な眼差しが、大変印象的でした。
そして2日間にわたる会議の締めくくりは、『東日本大震災「被災地の今」~宮城県気仙沼からの報告~』と題した、気仙沼ケーブルネットワーク株式会社の村上智氏と日本放送協会仙台放送局の堀籠功氏からの報告でした。震災直後に村上氏自身で撮影した映像を見ながら、お二人の実体験に基づくお話を伺うと胸が詰まる思いでした。復興の厳しい現実やコミュニティの崩壊は、想像と大きく異なり言葉を失いました。放送メディアに携わる私たちにとって、未曾有の大災害を考え続けること、伝え続けることの大切さを感じ、心に残る貴重な時間になりました。

「第53回輝く!日本レコード大賞」の照明についての講演

東日本大震災「被災地の今」についての講演
今年の「第31回全国テレビ照明技術者会議」は様々な分野、視点から、上質なコンテンツ制作について議論する場となりました。「省エネ」や「ECO」といった環境問題において、LEDの光や省電力化を実現する設備など、放送局として今後の取り組みが大きく注目されています。一方で、ドラマや音楽番組などで心情や情景、臨場感や雰囲気を演出するテレビの照明は、人の感性や経験、技術力が一番の頼りであり、新光源の開発やデジタル化によって放送形態が多様化しても、普遍的で変わることはありません。"テレビ"が、夢や感動にあふれるメディアであり、多くの人の心に響くエンターテインメントであるように、テレビ東京はこれからも高品質で最良な番組制作をめざします。
テレビ東京技術局制作技術部 水野暁夫
(第31回全国テレビ照明技術者会議 実行委員長)