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大手電機メーカーに勤める本松さんは、結婚後、社宅に住んでいましたがたが、その社宅の退出期限が迫って来たため、家づくりを決意します。
本松さんが購入した土地は、周囲には等々力緑地や多摩川もある自然の豊かな場所。しかし建ぺい率は40%で最大8坪の家しか建てる事ができません。
さらに、この地区の条例で、隣の家に接する部分を両側1m以上空けて建物を建てなければならないという規制が。間口4.8mの本松さんの土地に、間口が2.8mの家しか建てられないのです。
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広く開放感のある家 |
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広いリビング |
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広いお風呂 |
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広いルーフバルコニー |
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白いキッチン |
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敷地面積 69㎡(20坪)
建ぺい率 40%
容積率 160% |
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そんな本松さんの夢を叶えるのは建築家 武政博史。
8坪の土地に、高さ制限10mいっぱいの3階建て家を設計したため、幅が狭くタテにひょろ長く伸びる細長―い家になってしまいました。この悪条件の中で、可能な限り明るく広い家を作るため、空間を仕切らず、階段が家の中央に配置された、段差構造のスキップフロアを採用しました。この構造のため、木造ではなく鉄骨に。それゆえ予算も当初の予定を700万円近くオーバー。過酷な減額を強いられます。 一体、どんなドリームハウスが完成するのでしょうか?
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ルーフバルコニー200万円を諦めるなど様々な減額の末、いよいよ待ちに待った着工です。
掘削の深さは、通常より深い1m。これは、細長い本松邸が、地震や風の影響を受けにくくするためなのです。
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敷地も狭い上に、大雨という悪条件の中、長さ9m、重さ500kgの鉄骨が搬入され、上棟が始まりました。
まるでビル工事のような迫力です。
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次に搬入されたのは、こちらも8mと長い螺旋階段。慎重な作業が必要とされます。
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大掛かりな工事の末、本松邸の形が見えてきました。やっぱり細い!
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床の下地となるデッキプレートが張られると、スキップフロアが姿を現しました。これはフロアの間を螺旋階段でつなぎ、しきりをなくすことで、開放感を演出するという建築家の工夫です。
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工事は順調に進みます。施主の希望したお風呂や、キッチンも取り付けられ、工事はラストスパート。いよいよ完成間近です。
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川崎の住宅街に、幅2.8m、高さ10mのスタイリッシュなドリームハウスが姿をあらわしました。
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玄関扉は、スペースのいらない引き戸が採用されました。
真っ黒な外観とは正反対の真っ白な内装に、螺旋階段の間から洩れる光が眩しい、明るい空間です。
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玄関の左側には、浴室、トイレなどの水周りがまとめられました。ゆったり入ることの出来るお風呂は、施主がどうしても譲れなかったもの。念願が叶いました。
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オブジェのような螺旋階段で2階に上がると、そこは寝室。 |
寝室から、階段を挟んで反対側、2.5階には奥さん希望の白いシステムキッチンが作られました。
背の低い奥さんでも使いやすいように、棚の高さも考えられています。
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3階のリビングは、天井を高くし、高さ3.6mもの大きな窓を設けることで、室内幅はわずか2.5mながら開放感を感じることができます。窓の外にはバルコニーが作られました。
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そして、圧迫感を感じさせない工夫がもう一つ。リビングから、窓と反対の方向に目をやると、そこからは、3.5階にあるガラスで仕切られた子供部屋を見えるのです。
奥行きを感じられ、開放感が増すという仕掛けです。また、いつでも子供の様子が目に入るため、両親も安心です。
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苦しい減額の末に完成した、狭さを感じさせず、いつでも家族を感じられる本松邸。
ドリームハウスの完成!おめでとうございます。
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