日経スペシャル「ガイアの夜明け」 5月1日放送 第261回

「究極のサービスを目指せ」
顧客に対しサービスを徹底することで、支持を集めている企業がある。
その共通点とは、顧客がいま何を望んでいるか、顧客本位で考え、サービスを提供している点だ。番組では東京・六本木に3月30日にオープンした高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン東京」、そして“いたれりつくせり”のサービスを展開する小さな旅行代理店を取材。顧客を感動させ、もう一度利用したいと思わせるサービスとは何か?究極のサービスを目指す企業の舞台裏を取材した。
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今年3月30日、東京・六本木の旧防衛庁の跡地に誕生した複合商業施設「東京ミッドタウン」。その施設の一角に約250室を持つ高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン東京」がある。「リッツ・カールトン」とは、全世界で63のホテルを展開する高級ホテルチェーンで今回誕生したホテルは、大阪についで日本で2番目になる。
「リッツ・カールトン」は、雑誌などで特集されるホテルランキングでたびたび1位に輝いている。その理由が質の高いサービスと、それを実行する人材にある。
スタッフ全員が常に「クレド」(ラテン語で「私は信じる」の意)と呼ばれる小さなカードを必ず携帯させられる。そこにはさまざまなサービスの基本精神が記載されていて、従業員たちは常にその精神と向き合う。また毎朝、ミーティングを行い、その日のテーマを議論し、情報も共有し、その日のサービスにいかしていく。そして、「顧客ひとりひとりのニーズを事前に察知し、驚きと感動を与えるサービスを提供しよう」という精神を身に付け、自主的に実行できるよう教育されていくのだ。
番組では開業前の準備風景から開業後の接客やサービスを構築するシステムなどを取材、これまでほとんどカメラの入ることのなかった「ザ・リッツ・カールトンホテル」の裏側を取材した。 |

価格競争で激しい顧客争奪戦を繰り広げる旅行業界。そんな中でリピート率90%を超える旅行会社がある。「ベルテンポ・トラベル・アンドコンサルタンツ」という会社で、
創業8年目、従業員は社長を含めてたった3名という小さな旅行会社だ。
価格設定は通常のおよそ2倍。しかしその分、徹底したサポートが売り。
創業者である高萩徳宗(たかはぎ のりとし)社長(42)は、大手旅行会社に勤めている時に障害者などに対しての旅行の提案が少なすぎると実感し、
「人は誰でも旅を楽しむ権利はある」と自ら旅行会社を立ち上げたのだ。
その手法とはこうだ。旅行の前にお客と電話やメールで健康状態、食べ物の好き嫌い、その他旅行においての不安な点などを細かく聞き取り調査をする。場合によっては地方であってもお客の自宅にまで足を運び、直接会ってお話をする。
「旅行に行きたいという人には、必ず大きな動機があるはず。それらを全部把握し、事前に信頼関係を築いてこそ、最高の旅が提供できる。」と高萩さんは言う。
高萩さんが目指す理想の旅行会社は“1万人に1回ずつ利用してもらうよりも、100人の人に100回利用してもらえる旅行会社”だ。
3月10日から2泊3日で屋久島への旅が行われた。
参加者はほとんどが、60代の高齢の方であり、中には身体に障害を持ったお客もいる。
果たしてどんな風にリサーチし、どんな旅行サービスをしているのか?密着取材をした。
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