日経スペシャル「ガイアの夜明け」 12月22日放送 第397回 30分拡大スペシャル 闘う人たち、その後
番組が始まって8年が経った。放送回数にして、約400回。ビジネスの最前線で 闘う人々をこれまで1000人以上にわたって取材してきた。2009年最後の放送となる今回は、この8年間を総括する1時間半の拡大版。世界を救う水技術、ビジネスで福祉を変えるカリスマ経営者、貧困からの脱出を目指した中国の農村少女…ガイアのカメラが見つめた、主人公たちの「その後のドラマ」を追跡取材する
汚れた水でも、スプーン一杯の浄化剤を入れてかき混ぜると、水が透明になるという画期的な技術を開発した「日本ポリグル」の小田兼利会長(68歳)。番組では、小田さんが水環境の著しく悪いバングラデシュに乗り込んで奮闘する様子を取材した。そこには、「ビジネスと社会貢献の両立」でもがき苦しむ小田さんの姿があった。いつまでも浄化剤を無償であげるわけにはいかない、しかし、もっと多くの人を救いたい。そんな小田さんに、今、大きな転機が訪れていた。目先の利益よりも社会的な意義を優先して、苦しくともひたむきに事業を続けてきた。それが今、ビジネスとしても大きく花開こうとしていた。
日本の運送業界に革命を起こした「クロネコヤマトの宅急便」。その生みの親である小倉昌男さんが、ビジネスマンとして最後に挑んだのが、「福祉とビジネスの両立」だった。小倉さんは、“障害者の月給10万円”を掲げ、福祉にしっかりと経営理念を持たせた、「スワンベーカリー」という新しいベーカリーチェーンを立ち上げたのだ。番組では、2004年に1ヵ月間で300万円以上も売り上げて、順調に走り出したスワン店を取材していた。 しかし、5年後、その店に行って見ると、スワンの看板がなくなっていた。そして、創設者である小倉さんも、80年の人生を閉じていた・・・現在、スワン27店のうち採算がとれている店は、実は、ほとんどない。社会福祉法人などの支援で成り立っているのが現実だという。 そんなスワンの立て直しに再生人がやってきて、決死の店舗改革が始まった。本当に福祉とビジネスは両立させることができるのか!?亡き小倉さんの理念を実現するために立ち上がった再生人と、必死に働こうとする障害者のその後の挑戦を追う。
いま、世は空前の激安ブーム。1000円を切るジーンズや250円の弁当、スーパーの一桁セール…。番組では、2年前、驚き価格で席巻する新勢力を追っていた。1個10円の饅頭を売る「10円まんじゅう」と、全ての品物が千円均一の「1000円均一ショップ」だ。その激安戦略が消費者の心を見事につかんで、破竹の勢いで成長していた。 ところが、当時、客で賑わっていた店を訪ねてみると…。急成長を遂げていた激安ビジネスの寵児たちのその後の顛末を追跡し、激安の行き着く先を見つめる。
爆発的な成長を続け、GDPで日本を抜いて世界第2位になることが確実視されている中国。番組は、2002年のスタート当初からそんな中国に着目し続けてきた。 2002年2月、河南省の貧しい農村から1人の少女が、出稼ぎに出ようとしていた。それは、「2人の妹の学費を稼ぐため」。厳建麗、当時18歳。生まれて初めて村を出る建麗は家族と涙で別れて、メイドインチャイナの一大生産拠点である広東省を目指した。彼女もすでに26歳になった。そして本人にも家族にも様々な変化が起きていた・・・ 放送開始当初から見つめてきた、農村少女と家族の8年の歳月を通して、中国経済の発展と、変化、そして、矛盾を描く。