国土のおよそ4分の3が山岳地である日本で今、登山人口が伸びている。2008年現在では推計590万人と、ここ数年、20万人ずつの高い伸び率を維持しているのだ。
これまで、中高年の趣味としか思われていなかった＜登山＞だが、今、ブームの先陣を切るのは若い女性たち。通称「山ガール」と呼ばれる彼女たちは、おしゃれでカラフルなアウトドア・ファッションに身を包み、非日常の体験を求め山を登る。近年のパワースポット巡礼や、健康志向なども追い風となり、アウトドア関連の総市場規模は5000億を超えるとも言われ、さらに年々拡大傾向にある。
なぜ人々は山へ向かうのか、2010年夏本番に向け、拡大する山ブームの裏側を追った！

若者ファッションの発信地として、揺るぎない地位を確立している東京・原宿。しかし今、この町に異変が起きている。おしゃれなアパレルショップに混じり、原宿に軒を連ねているのは、パタゴニアやエーグルなどのアウトドア用品店。店内には、さながらアパレルショップと見紛う程、カラフルでおしゃれな品が揃う。
そんなアウトドアショップの中でも目を引くのが、JR原宿駅の目の前に進出したICI石井スポーツ。全国でアウトドア店を展開するICI石井スポーツでは、これまでの山専門店の硬派なイメージを払拭。＜女性が入りやすい店舗＞を目指して原宿駅前に出店した結果、好調に売上げを伸ばしているという。その仕掛人、ICI石井スポーツ商品営業部の吉澤且行さん（43歳）。ほんの20年前まで、女性専用のアウトドア用品は存在しなかったこの業界。女性にアピールできるアウトドア用品とは？その商品開発の極意を探った！

年間の登山者数はおよそ30万人。日本最高峰の山として、昔も今も変わらず人々の信仰の対象としてそびえる霊峰・富士。中でも最近増えているのが、初めて富士山を登ろうという若い登山客の姿だ。初めての富士登山でも、安心・安全に登りたい、そんな登山ツアーを提供してくれるツアー会社がある。
山梨県富士吉田に拠点を置く「富士山登山学校ごうりき」は、富士山で＜エコツアー＞や＜体験学習プログラム＞などを企画・実施している会社。昨年11月には、環境省が主催する＜第５回エコツーリズム大賞＞において優秀賞を受賞している。
この「富士山登山学校ごうりき」を主催するのが、地元富士吉田出身の代表・近藤光一さん（43歳）。参加者の安全管理に配慮し、地域の自然・文化を後世に残そうと取り組んでいる。８人程度の小規模ツアーを中心に、富士の魅力を存分に味わってもらいたいと組まれたツアーは、現在予約殺到中だ。 今回、初めて富士登山に挑戦する女性登山者のツアーに密着。何故彼女たちは、富士山に向かうのか、感動のドラマの一部始終を追った！そこに見えたのは、日本最高峰の山の本当の魅力…。

群馬三大温泉のひとつに数えられる老舗温泉郷を有する、群馬県みなかみ町。浴衣姿の温泉客で賑わっていた温泉街だが、バブル崩壊後は団体の宿泊客が伸び悩み、温泉街からは客足が遠ざかっていた。しかし今、人口およそ2万人の、このみなかみ町に、全国から年間11万人もの観光客が訪れているという。その目的は、ラフティングやバンジージャンプなどのアウトドアスポーツだ。
中でも人気なのが、＜キャニオニング＞と呼ばれるヨーロッパ発祥のアウトドアスポーツ。カラダひとつで高さ20m近い滝を滑り落ちたり、滝つぼへダイブしたりと、まさに自然を丸ごと体験するアウトドア・アドベンチャーだ。このキャニオニングを日本に持ち込んだのが、アウトドアの先進国・ニュージーランド出身のマイク・ハリスさん（37歳）。マイクさんが代表を務める会社キャニオンズでは、創業10年目で売上高は1億5千万円にものぼる。
非日常の体験を求めて、日々押し寄せる観光客。しかし、自然が相手の商売なので、無闇に拡大しては、自然破壊に繋がりかねない。そんなジレンマの中、マイクさんが打つ、次なる一手とは？