日経スペシャル「ガイアの夜明け」 1月11日放送 第450回 うまい魚を食卓へ~流通システムを変える 革命児たち~
国内の“魚離れ”が進んでいる。そんな中、“鮮魚”の仕入れと流通システムに変革を起こし、「安くて・新鮮で・おいしい魚」を食卓へ届けようと挑戦する“魚のスペシャリスト”たちを追いかける。
巨大鮮魚チェーンの「角上魚類」は新潟や関東を中心に20店舗を構え、年間売上高は200億円を超える。「直販すればスーパーの半値で売れる」という発想から、流通の仕組みを見直し、「活きの良いものをより安く」というモットーを実践してきた。各店舗には、朝から客が押し寄せる。客の要望に応えて、その場で刺身用や煮付けようなどに包丁を入れ、知識の豊富なスタッフが調理方法まで丁寧に教える。接客サービスと徹底した売上データ管理で、“生のモノ”はその日のうちにほとんどを売り切るという。その安くて新鮮な魚を仕入れる秘密は、バイヤー達の“目利き”と“権限”にある。バイヤーは各店舗からの「売れ筋」の注文に縛られるのでなく、その日の「鮮度と価格が一番良い魚」を臨機応変に買い付ける。その角上魚類が12月の30日と31日のわずか2日間で、10億円を売り切るという“年末大売出し”に挑戦する。
東京・日本橋にオープンした大型商業施設「コレド室町」に出店した魚料理専門店の「紀ノ重」。「原始焼き」と名づけられた魚の炭火焼で客の目をひく。店舗を運営するエー・ピーカンパニーは、「今朝どれ」の魚料理に挑戦する。「地方で獲れた魚は、東京のスーパーや飲食店に並ぶまでに2日かかる」という。これを、今朝獲れた魚をその日のうちに店に出すという。そのために、どんな流通システムの改革に挑んだのか。米山久・代表は「第一次産業と三次産業を直接つなぐ。中間業者はいらない」と語る。
大分県佐伯市の水産物運送会社を経営する男性が、荷台で寿司が握れるように改造したトラックで東京タワーに乗りつけ、地元・豊後水道の魚をアピールする取り組みも紹介する。