日経スペシャル「ガイアの夜明け」 2月8日放送 第454回 シリーズ ニッポンの食卓(1) ~ 一日の計は朝食にあり ~
炊きたての白米に味噌汁、そして焼き魚・・・。日本人ならだれもが思い浮かべる朝食の姿だ。しかし、ここ最近、朝食を取り巻く状況も変わり始めている。ライフスタイルの変化で、家族そろって食卓を囲むことも難しくなる一方だ。 二回連続で放送するシリーズ「ニッポンの食卓」。第一夜はおろそかにされがちな「朝食」を見つめる。朝食を食べることで医学的に成人病を防ごうという取り組み、そして朝食にチャンスありと動き始めた企業や町の小さなお店の挑戦など・・・。あなたも食べないと損をするかもしれません。
都内のあるお宅。4人家族のお母さんが早朝から朝食の準備に取り掛かる。パンに和食、洋食まで・・・。毎日毎日一人一人バラバラのメニューを用意しているという。 長年、日本の家庭の食卓を研究してきた専門家によると、「ライフスタイルの変化で一番影響を受けているのが朝食」と指摘。調査で集めた家庭の朝食の写真を見せてもらうと、驚きのメニューがずらり・・・。 変わりゆくニッポンの朝食像とは・・・
大阪市に住むシステムエンジニアの森中辰哉さん(27歳)。その食生活は、朝食抜き、昼は定食、夜、週二回は居酒屋・・・。いまや20代男性の3人に1人が朝食抜きだという。そんな森中さんが訪れたのは京都医療センター。医師の第一声は「糖尿病予備群の兆候があります。朝ごはんをきちんと食べていますか」。 患者数700万人、予備群を含めると2000万人と、まさに国民病とも言われる糖尿病だが、朝食とどういう関係があるのだろうか・・・。さらには朝食抜きが動脈硬化など恐ろしい病気を引き起こす可能性もあるという。 糖尿病にならない朝食メニューとはどんなものなのか・・・ 忙しいからとついつい朝食を抜きがちなサラリーマン必見!あなたも人事ではありません・・・。
企業の経費削減で真っ先に削られているのが出張費。ビジネスホテルのシングル1泊の宿泊費は5年前より500円も減少している。低価格競争はもう限界に来ている。そこで、各社が力を入れるのが「朝食」だ。より充実したメニューでアピールし、今後もリピート客になってもらおうと狙う。 全国チェーン、チサンホテルも朝食に力を入れるホテルの一つ。昨秋、全面的にリニューアルに踏み切った。目玉の神戸牛牛丼などで、食材費はアップしたものの、売り上げは1000万円も増えたという。そして2月から新たな朝食キャンペーンを仕掛ける予定だ。今回は全国で展開する「ご当地豚汁」。ただの豚汁ではない。各地で違う味を提供し、出張が多い人に各地で泊まってもらおうという作戦だ。 特に力を入れるのが、ビジネスホテル激戦区、東京と札幌だ。苦闘する担当者・・・。悩みぬいた末、驚きの秘策に出る。果たして「豚汁」で、サラリーマンの心をつかむことができるのか・・・。
朝はパン派という人も多い今、どの家庭でも手軽に「焼きたて」を食べてほしい・・・。そんな一心で和歌山の小さなパン屋さんが取り組んできたのが「冷凍パン」だ。冷凍パン自体はこれまでもあったが、解凍する必要があったり、ふくらみが足りなかったという。しかし、このパンは解凍せずにオーブントースターに入れて待つこと15分。生地が見る見るうちに3倍にふくらみ、焼きたてパンに早変わり。業界では長らく不可能とされていた魔法のパンなのだ。苦節25年、これまで例のない独自の技術を発明したのが、「ブーランジュリーピノキオ」の石倉秀雄さん。「家庭でもインスタントラーメンのように手軽にプロの味を楽しんでほしい」と話す。 これまで一部に限られていた販売ルートを、いよいよ今年から本格的に広げていこうと動き始めた石倉さん。さっそくホテルなどに売り込みをかけるが、味は好感触を得るものの、価格の高さがネックとなってなかなか商談がまとまらない。「いいものを作るためには材料にもこだわりたい。何より、これまで本当においしい朝食を食べていなかった人たちにこそ食べてもらいたい・・・・」。 そんな中、興味を示す会社が出てきた。横浜にある「給食企画体」という、老人ホームなどに食材を提供している会社だ。和歌山から乗り込んだ石倉さん。そこで待ち受けていたドラマとは・・・。