■監修者・中島洋の深読み
中島洋
=マルチメディア総合研究所所長
1947年生まれ。東京大学大学院(倫理学)修士修了。73年日本経済新聞社入社。産業部で24年にわたり、ハイテク分野、総合商社、企業経営問題などを担当。1988年から編集委員。この間、日経マグロウヒル社に出向し、日経コンピュータ、日経パソコンの創刊に参加。97年-02年慶応義塾大学教授(大学院政策・メディア研究科特別研究担当)。02年-04年、国際大学(グローコム)教授を務める。現在、MM総研所長、日経BP社編集委員、国際大学(グローコム)主幹研究員などを兼務。
「ガイアの夜明け」は、02年4月、ITミニバブルが崩壊して再び暗雲たなびき始めた日本経済にもう一度元気をつけるための事象を発掘して報道しようという狙いで始まった。テレビと連動する新聞の企画は当初、企画のねらいそのままに、「がんばれ!! ニッポン経済」のタイトルだった。実際、新聞企画のスタッフは、光ファイバによる地域おこしの実態を取材に沖縄は宮古島に飛び、鳥取に新しい食品の芽をうかがい、大阪でハイテクを駆使した百円寿司のビジネスを見た。
その後、日経新聞での企画は「キーワードで見るガイアの夜明け」とタイトルをテレビ東京のテーマと一体化して進行させてきたが、さらに八丈島、大分、名古屋、千葉、北海道、新潟、長野、青森、鹿児島、再び大阪、名古屋など、日本各地に日本経済再興の息吹を求めて取材に駆け巡ってきた。 この「ガイア」シリーズでテレビ東京が力を入れてきたのが「中国」である。日本企業の中国市場の開拓に奮闘する様子、中国企業が急成長してゆくプロセスの「なま中継」など、繰り返し特集し、視聴者には大きなインパクトを与えた。
しかし、テレビチームと違い、新聞側企画は取材のための期間が短いこともあって、海外に足を伸ばすことは現実的に不可能。テレビ東京チームが、たびたび日本経済を語る上で不可欠になった中国取材を敢行するのをうらめしげに眺めていたのが新聞チームの実情である。これまで中国についての情報を深いレベルで集めることはあきらめていた。
ところが、今回、中国通のスタッフを加えて、あえて中国情報を集め始めたら、中国政府をはじめとして、日本語による中国情報がインターネットにあふれているのに触れてびっくりした。中国は大国過ぎるので統計データがない、との先入観があったが、正確度合いは不明ながら、実は大量のデータがあふれている。政治情報、歴史、経済情報、法令など、実に多岐にわたって情報が日本語で提供されている。最近のニュースも、中国の新聞に掲載された今朝のニュースが午後には、もう、日本語のサイトにアップされている。特に経済ニュースは、日中間に関することはここでおおむね網羅されている。
しかし、なぜ、こんなに中国側は日本に情報を提供することに熱心なのか。サイトによっては日本語だけではない。英語、スペイン語、ロシア語、フランス語、アラビア語、韓国語などさまざまな言語によって提供している。
中国ははっきりと国外に国自身を開放した。中国政治のゆり戻しを心配する声は今も根強いが、この情報公開の状況をみると、中国は不退転の決意をしたのではないか。そう確信させるに十分である。視聴者の皆さんにも、中国経済の驚異的な発展に目を奪われるだけでなく、その底流に起こった地殻構造にも想像をめぐらせていただきたい。
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