■監修者・中島洋の深読み
中島洋
=マルチメディア総合研究所所長
1947年生まれ。東京大学大学院(倫理学)修士修了。73年日本経済新聞社入社。産業部で24年にわたり、ハイテク分野、総合商社、企業経営問題などを担当。1988年から編集委員。この間、日経マグロウヒル社に出向し、日経コンピュータ、日経パソコンの創刊に参加。97年-02年慶応義塾大学教授(大学院政策・メディア研究科特別研究担当)。02年-04年、国際大学(グローコム)教授を務める。現在、MM総研所長、日経BP社編集委員、国際大学(グローコム)主幹研究員などを兼務。
きのこ中毒の話
坂口安吾の小説にきのこ採りの名人のお爺さんの話があった。
主人公の小説家が泊まった宿で、夜、わいわいとにぎわっている。きのこなべを囲んで、酒を飲んでいる。主人公も進められたが、きのこは怖いからと断ると、「きのこ採りの名人の爺さんが採ったのだから心配ない」と言って皆が勧める。それでも気持ちが悪く、きのこなべを断って部屋にひきこもった。
翌日、宿の中があわただしい。葬式が出るという。だれが亡くなったのか聞くと、昨晩のきのこなべで、当の名人が中毒したのだという。
どこまでが作り話か分からないが、場所がしっかりと書いてあるので、その付近を訪ねたことがある。長野県の東部、キャベツで有名な群馬県の嬬恋村に抜ける峠道の途中にあった。一軒宿なので間違いないだろう。宿泊する暇がなかったので宿では食事が取れなかったが、付近のレストランや蕎麦屋に寄ると、確かにきのこを食材に使ったメニューがたくさん並んでいる。ただ、えのきやなめこなど、素人でも分かるきのこばかりが使われている。山で採った天然モノというよりは、栽培したきのこではないか、と思えるが、どうだったのだろうか。
近所のスーパーでも椎茸、えのき、エリンギ、なめこなどが他の食材よりスペースを占めていた。ただ、産地を見ると、地元の農協に混じって、遠く他県からのものも多数並べられていて、「これなら安心」と思わずつぶやいてしまった。きのこはスーパーで採取すべし。
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