■監修者・中島洋の深読み
中島洋
=マルチメディア総合研究所所長
1947年生まれ。東京大学大学院(倫理学)修士修了。73年日本経済新聞社入社。産業部で24年にわたり、ハイテク分野、総合商社、企業経営問題などを担当。1988年から編集委員。この間、日経マグロウヒル社に出向し、日経コンピュータ、日経パソコンの創刊に参加。97年-02年慶応義塾大学教授(大学院政策・メディア研究科特別研究担当)。02年-04年、国際大学(グローコム)教授を務める。現在、MM総研所長、日経BP社編集委員、国際大学(グローコム)主幹研究員などを兼務。
中古車市場は発展する
新車販売よりも中古車登録の台数のほうが、どんどん多くなる。考えてみると当然である。新車を最後まで乗りつぶすオーナーは珍しいだろう。中古車として登録され、次のオーナーも何年か乗った後、また中古車市場に回すケースが多いだろう。つまり、1台の自動車は新車としては販売されるのは1回だが、中古車としては数回お勤めを果たす。時間が経過すれば、徐々に中古車の方が市場に多くなるのも、計算に合う。
免許取りたてで最初に自動車を購入するのは中古車、というのが常識なので、筆者も最初は中古車を購入して利用した。20年も前のことだが、これが苦労の連続だった。
エンジンの調子がおかしくて、頻繁にエンストする。オートマ車なのに、なぜエンストするのか。交差点で停車して、アイドリングしていると、ストンとエンストする。右折ラインに入って対向車がなくなるのを待って、さぁアクセルを噴かそうと、足を移動しようとするとストン。あわててエンジンキーを回そうとすると動かない。そう、オートマ車なので、シフトレバーをパークに戻さないとエンジンキーが回らないのだが、エンストでこちらはパニック状況なので、最初はそこまで頭が回らず、エンジンキーが回らないので焦りまくる。そのうちに慣れたので、エンストするとまず、レバーをパークに戻すという冷静な動作ができるようになったが、後続車にはクラクションを鳴らされて、「まぁ安全第一」とつぶやきつつ、そのクラクションを無視する度胸がつくには時間がかかった。
ただ、中古車市場にもそう遠くないうちに異変が起きるのが予想できる。
電 気自動車の登場である。環境問題から一気に電気自動車が普及し、ガソリン車の需要が冷え込み始めると、そこに大きな断層ができるに違いない。電気自動車からガソリン車への行政的な誘導が起きて、ガソリン中古車を抑制するような傾斜的な重税が課せられるようになると、ガソリン中古車は寿命が縮むかもしれない。
環境問題は新車-中古車の循環を促進するが、同じ環境問題は究極的にガソリン車の中古に厳しい条件を課し、ガソリン車の終焉を迫るかもしれない。その代わりに電気自動車の新車-中古車の新しい循環をもたらすことになるだろうが。
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