■監修者・中島洋の深読み
中島洋 中島洋=マルチメディア総合研究所所長

1947年生まれ。東京大学大学院(倫理学)修士修了。73年日本経済新聞社入社。産業部で24年にわたり、ハイテク分野、総合商社、企業経営問題などを担当。1988年から編集委員。この間、日経マグロウヒル社に出向し、日経コンピュータ、日経パソコンの創刊に参加。97年-02年慶応義塾大学教授(大学院政策・メディア研究科特別研究担当)。02年-04年、国際大学(グローコム)教授を務める。現在、MM総研所長、日経BP社編集委員、国際大学(グローコム)主幹研究員などを兼務。

緑茶は健康食品だったのか

 日本人として恥ずかしいことだが、こんなにも緑茶に健康に良い効用があるとは思わなかった。特にカテキンの効果である。数年前からカテキンをたっぷり濃縮した飲料が「ダイエット効果がある」として大ヒットしたが、改めて医学的に確かめられたと思われる効用のリストをみると驚かされる。

 知人の中にも、使い終わった茶葉は捨てずに、細かく刻んでご飯や炒め物に混ぜて食べる、という人が出てきていた。どうも効用を十分に知らなかったものだから「随分、みみっちいことをするのですね」などとからかったが、今から思うと、相当に失礼なことを言ったわけである。今度会ったら謝らなければいけない。きっと茶葉に残っている栄養分を効率よく、余らさずに摂取しようという正しい行動だったわけである。

 ビタミンCやら、血圧を下げる成分やら、あれこれと万能薬のようにいろいろな成分がある。あまり多いので、ほかの食品で丹念に調べればこれくらいの効能は書き出せるのではないか、と疑わしくなる瞬間もある。しかし、栄西禅師の「喫茶養生記」という著書があるくらいだから、その効用は歴史に耐えた重みのあるものなのだろう。

 殺菌効果もすごいものがある。病原性大腸菌やコレラまで殺菌効果があるのだそうだ。その殺菌効果を利用してウェットティッシュに含ませてアルコールのウェットティッシュと競争させようという製品もある。そういえば、昔、母親がたたみの上を掃除するときに使い古した濡れた茶殻を撒いてからほうきで掃いていた。濡れているので埃を吸う効果があるな、とは思っていたが、もしかすると、茶殻に吸われた埃の中の細菌を、残留していたカテキンで滅菌していたのかもしれない。濡れた新聞紙をちぎって掃除をすることもあったが、茶殻も結構あった。

 その緑茶のうち、ペットボトルや缶入りはともかく、茶葉での消費量が日本では減少しているそうだ。ペットボトルや缶入りの飲料では、使った後の茶葉を食べることもできなければ掃除にも使えない。もったいないことである。







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