■監修者・中島洋の深読み
中島洋
=MM総研代表取締役所長
1947年生まれ。東京大学大学院(倫理学)修士修了。73年日本経済新聞社入社。産業部で24年にわたり、ハイテク分野、総合商社、企業経営問題などを担当。1988年から編集委員。この間、日経マグロウヒル社に出向し、日経コンピュータ、日経パソコンの創刊に参加。97年-02年慶応義塾大学教授(大学院政策・メディア研究科特別研究担当)。02年-04年、国際大学(グローコム)教授を務める。現在、MM総研所長、日経BP社編集委員、国際大学(グローコム)主幹研究員などを兼務。
まだまだ元気な日本の高齢者
この統計データは本当なのか? 今回の取材中に収集したデータの中で信じられないものに出くわした。厚生労働省の調査の中に「夫・妻の年齢階級別にみた初婚件数・初婚率」というのがあった。年齢別というので、ずっと視線を一覧表の下方に移してゆくと、50~54歳、55~60歳、65~69歳、70~74歳、75~79歳、80歳~ と欄がある。
平成18年夫のところには、50~54歳2,926人、55~59歳1,570人、さらに60歳以上では、60~64歳375人、65~69歳124人、これだけでもびっくりだが、70歳になっても70~74歳39人、75~79歳21人である。もっとびっくりするのは80歳~ の欄になんと「8人」とある。もう一度確認してみると「初婚」である。平成17年以前のこの欄はずっと空欄なので「ゼロ」という意味だろう。50代、60代の初婚の例も年々、急拡大しているので、その波が80代にも及んできたのだろう。何か統計の間違いではないか、という気もするが、実際にそうだとすれば、われわれの気がつかないうちに、単に高齢化が進んできるだけではなく、元気も加齢化しているということだ。
ちなみに「妻」のほうは50~54歳648人、55~59歳358人と夫の5分の1程度と一回り数が少ない。しかし、70~79歳では63人と夫を上回り、80歳~ でも「9人」とある。女性の初婚で9人もいるというのは想像しがたい統計データである。
しかし、最近、のど自慢などテレビに登場する高齢者の姿をみると、確かに元気だ。筆者らの想像を越えて高齢社会ニッポンは活力に満ちているのかもしれない。
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