■監修者・中島洋の深読み
中島洋 中島洋=MM総研代表取締役所長

1947年生まれ。東京大学大学院(倫理学)修士修了。73年日本経済新聞社入社。産業部で24年にわたり、ハイテク分野、総合商社、企業経営問題などを担当。1988年から編集委員。この間、日経マグロウヒル社に出向し、日経コンピュータ、日経パソコンの創刊に参加。97年-02年慶応義塾大学教授(大学院政策・メディア研究科特別研究担当)。02年-04年、国際大学(グローコム)教授を務める。現在、MM総研所長、国際大学(グローコム)主幹研究員などを兼務。

予知の難しさと次への警戒

 日本の地震予知は東海地震に重点が置かれてきた。東京と大阪という日本の2大経済圏を結ぶ大動脈を襲う危険があって、最も首都圏に近いという事情もある。それに対して内陸型地震やその他の地域の予知体制は必ずしも手厚くはなかった。まさか、三陸沖でこのような巨大地震が東海に先行して起こるとは、虚を突かれた思いである。地震のメカニズムは大まかには解明されてきたような気がするが、こうして起きてみると、なぜ、いまこの地震が起きなければならなかったかというのは、ただちには理解できない。

 だが、いつまでも呆然としているわけにはゆかない。東海地震への危険は依然として消えたわけではないのである。今回の地震を教訓とすれば、東海地震に備えて準備しなければならない追加項目はいくつも出てきた。特に原発については、東海地震が直撃する地域に浜岡原発がある。震災で施設に故障が起きたときにどういう風に対処するのか。その対処ができない事態が発生したら、どういう処置をするのか。人員が欠損したときに、どこから補充するのか。3重、4重では済まない想定外が起きたときにどうするのか。

 次々に想定外の準備をしておく必要がある。

 もっとも、そんなにコストをかけたら原発で発電する電気料金は膨大なものになる。原発の事故はどういう理由であれ、一度起きてしまえば、人的被害、経済的損失、いずれも巨大である。そうしたコストを確率的に織り込んでおく(保険と呼ぶ)と、実は原発の発電コストはとてつもなく膨大になる。それを考えれば、同じ投資を自然エネルギーの開発に投入した方が合理的である。エネルギーのあり方を根本から考え直す必要がありそうだ。






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