キーワードで読むガイアの夜明け 日経紙面連動企画

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2013年11月17日 急速に増加する「女性技術者」

今回のキーワード
拡大する女性の「活躍の場」

これまで女性の社会進出を阻んできたのは「これは女性には無理」という思い込みが大きかった。 建築現場や金属機械加工現場など、技術者として女性が幅広く進出してきたことなどは、その思い込みの深さ、バカバカしさを改めて感じさせる。

今回のキーワード


中島洋の深読み 紙面を監修している中島洋・MM総研所長が、各回のテーマに対してコメント

筆者が小さかったころ、まことしやかに言われていたのはスポーツでの男女の壁だった。 思い出すのは陸上競技での「神話」である。 当時は、女子には短距離走があったが、中距離、長距離走はなかった。 体育の教師は「女子の身体的能力では中距離以上は苛酷である」という理由が述べられていた。 ましてやマラソンなどはあり得なかった。 それがいかに妄説だったか。 もちろん、男子と女子では記録に差はあるから、同じ条件で競技することはできない。 しかし、「苛酷で不可能」という理由は誤りだった。

レスリングなどの格闘技も女子に広がった。 今日では信じられないことだが、名門と言われるゴルフ場の中には、女子の利用を許さなかったところもあったそうだ。 今でも、曜日によって男子のみに限定しているところがあるというが、これも昔の「男子専門」の思い込みの名残ではないか。

体力的に無理だということでまだ、女性が進出することができない職種もあるが、これも次第に女性であることが理由ではなく、単純に、その職務を実行できる能力の有無の問題ということだろう。

電車や大型バスの運転士、タクシーの運転士など目につく場所で女性が活躍する姿をみるのはすでに当たり前である。 土木・建築現場も働く姿が目立つので女性の進出ぶりがよく分かった。 ただ、人目に付きにくい閉ざされた技術職場の中でも着実に女性の進出が進んでいるのである。

日本企業の中でまだ女性の進出が極めて少ないところがある。 言うまでもなく、「役員」階層である。 上場企業を眺めると、女性役員はほとんどいない。 女性の社会進出の歴史が短いので、役員の階層が薄いのは分かるが、管理職層もその割にはまだ厚くなっていない。 単に時間が解決するのではなく、社会の側でも「女子にはできない」という「思い込み」を払しょくすることが重要だろう。

取材データ テーマの背景をもっと深く知るためのデータを掲載
中島洋=MM総研代表取締役所長

1947年生まれ。東京大学大学院(倫理学)修士修了。
73年日本経済新聞社入社。
産業部で24年にわたり、ハイテク分野、総合商社、企業経営問題などを担当。1988年から編集委員。この間、日経マグロウヒル社に出向し、日経コンピュータ、日経パソコンの創刊に参加。
97年-02年慶応義塾大学教授(大学院政策・メディア研究科特別研究担当)。
02年-04年、国際大学(グローコム)教授を務める。
現在、 MM総研所長、国際大学(グローコム)主幹研究員などを兼務。


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企画・制作・・日本経済新聞社 クロスメディア営業局
監修:中島洋MM総研所長
取材:馬場匠見、中安恒樹、清水玲那、中島美咲、吉田笙子、坂井 祥仁