インタビュー
吉川元春役 大友康平さん


今回の作品は、軍の参謀である黒田官兵衛と竹中半兵衛を中心に描いた作品ですが、もし、どちらかを選択するとすれば、参謀になりたいですか?
それとも参謀がほしいですか?
「計算して何かを…」というようなことは得意ではありませんから、自分は優秀な司令塔がほしいですね。
歌に関して言いますと、作詞して、作曲して、アレンジをして、そして舞台アレンジをしてといった作業もあるんですが、歌うその瞬間というのは、表現することが全てなんです。僕は「歌は叫ぶこと」だと思っているので、叫ぶお膳立てをしてくれる舞台監督やプロデューサーが、そうした存在ですね。
また、お芝居にしても、「よし、この瞬間、怒りをぶつけてみよう」とか、「今、すごくハッピーなんだよ」といったふうに、その瞬間を生きるのは得意なんですけど、物事を作りあげるのはとても苦手なので、スタッフの方のお膳立てがあってこそだと思っています。
テレビ時代劇が少なくなってきていることについては、
どう感じていらっしゃいますか?
遊びの形態がゲームなどに変わってきてしまったので、今はどうかはわかりませんが、チャンバラは楽しくて、かっこよくて、最高の遊び道具だったという気がするんです。だから、日本男児なら刀を持った瞬間に、皆、やんちゃになれるんじゃないかなという。
僕でさえも時代劇の仕事を時々いただくんですが、刀を持った瞬間はワクワクしますね。きっと、そのワクワクしたものを観たいという方は、まだまだいらっしゃると思います。
例えは悪いかもしれませんが、40歳ぐらいになってきますと、焼肉よりは魚が好きになるんです。魚に関して言うと、合うお酒って日本酒なんですよ。自分の親父やおじいちゃんが、日本酒を飲んで「あ~っ」って声を出してる姿を見て、「かっこ悪くて嫌だな。俺、絶対、日本酒なんか飲まねえぞ」と思っていたのに、40台も中盤に差し掛かったある日、すし屋で日本酒を手に「あ~っ」と喉を鳴らす自分がいました(笑)。
あまりにも偏っているかもしれませんが、僕は日本人にとって、チャンバラと演歌と日本酒は永遠に不滅だと思ってるんです。日本人の心だと。
だから時代劇は絶対になくならないと思うし、僕らがほんの少しでも関わっているのであれば、絶対に、文化の継続として続けていく責任があると思いますね。
時代劇と現代劇の違いというのはあると思いますか?
今回の作品は戦国時代ですから、国と国の領地の奪い合いであったり、天下を獲るための覇権争いであったりするんですけど、戦争ということではなく、国と国が互いに国力を高めていくという作業や企業間の競争においては、プロデューサーや作戦参謀というのは必要だと思うんです。
時代劇の場合は、相手の大将の首を取って勝ち、領地を奪い、そして石高を増やしていくといったかたちで、非常にわかりやすいんですが、それは別のかたちで現代にも置き換えられると思いますね。
放送を楽しみにしている視聴者に向けてひとこと!
一見しますと、黒田官兵衛と竹中半兵衛というのはとても地味な感じがするんですが、実は、この2人がいなかったら徳川幕府はなかったというほどの人物なんです。ということは、2人がいなければ、歴史が大きく変わっているわけです。
もちろん表舞台には徳川家康がいて、豊臣秀吉がいて、織田信長がいるんですが、その3人から恐れられたという存在。素晴らしい軍師なんです。
半兵衛は病弱で、容姿もちょっと女性っぽかったそうですが、年上で、かつ大将でもあるあの秀吉が、「俺と一緒に組んでくれないか」と三顧の礼をした。これはある意味、男のロマン中のロマンですよね。
官兵衛は半兵衛を本当に尊敬して、その精神を受け継ぐんですが、非常に男っぽく、人に媚びない。そして「贅沢は敵だ」というところが、本当に日本人の鏡だと思います。
そういうふうな見方でこの番組を観ると、とても楽しめるんじゃないかと思います。