インタビュー

嶋津義忠さん 原作『竹中半兵衛と黒田官兵衛 秀吉に天下を取らせた二人の軍師』(PHP文庫刊)著者

日本人というのは清潔感を本能的に持っている民族。“日本人の志”とはどういうものかを、今の人に知ってもらいたい。

10月21日、ドラマの原作『竹中半兵衛と黒田官兵衛 秀吉に天下を取らせた二人の軍師』の著者である嶋津義忠先生が、松竹京都撮影所を訪れました。黒田官兵衛役の高橋克典さん、竹中半兵衛役の山本耕史さん、豊臣秀吉役の西田敏行さんのお芝居を撮影現場でご覧になった嶋津先生に、原作に込めた思いと来訪の感想をうかがいました。

今回の作品がドラマになると聞かれたときのお気持ちは。

うれしかったですね。原作を読んでくれている方がいたんだなと。

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黒田官兵衛と竹中半兵衛の物語を書かれたのはなぜですか。

「日本人の志」というものはどういうものなのかを、今の人に知ってもらいたいと思ったんです。かつての日本には、黒田官兵衛と竹中半兵衛のように「日本人の志」を持った人がいて、また、豊臣秀吉のように、その志を受け止める人がいた。そういう日本人がいたということを伝えたかったんです。

日本人は、毎日風呂に入る。そんなに風呂に入る民族は、世界では日本人ぐらいですよね。つまり、地球上の人類の中で日本人は特殊な人種なわけで、もともと「清潔感」を持っている人種なんです。その「清潔感」を持つ日本人というのは、法律で決めなくても、これ以上やってはダメなんじゃないか、これ以上やったら汚いんじゃないかという感覚を、本能的に持っている民族だと私は思っています。

ところが今は、思想が欧米化していて成果が問われますから、目的のためなら手段は選ばないというところにまできてしまっているんじゃないかと感じるんですね。「これ以上はしてはいけない」ということが本能的にわかっていたはずなのに、今の日本人にはわからなくなってきているんじゃないかなと。「清潔感」を失いつつある。そこが、黒田官兵衛や竹中半兵衛は違うのだという思いがあったんです。

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「日本を変えた」という意味では、江戸時代の坂本龍馬などが注目されて、
戦国時代は、どうしても戦略的な部分にスポットが当たってしまいますが、
実は黒田官兵衛や竹中半兵衛もまた、「民のために世を変えたい」という強い思いを持った人物のように感じます。

そうですよね。
官兵衛や半兵衛のように、戦国時代から、世を変えたいという志を持つ人たちはいたんです。
偉そうなことはいえないですけど、特に政治にかかわるような人たちには、それぐらいのことは知っておいてほしいなと思いますね。

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撮影をご覧になってのご感想は。

高橋克典さん、山本耕史さん、西田敏行さんが、それぞれの役にぴったりと合っていて、非常にうれしかったです。
山本さんには、撮影現場でも直接お伝えしたんですけれども、山本さんには清潔感があるでしょ。それが半兵衛の誠実さにぴったりだと思いましたね。
官兵衛も誠実なんだけれども、半兵衛とはまたちょっと違うものを持っているんです。ただ単純に、誠実というだけではない。高橋さんには、それがあると感じました。2人は、その誠実さの表し方がぴったりで、非常によかったです。
西田さん演じる秀吉は、その2人の志と才能を十分に受け止められる人物でした。

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台本を読まれたご感想は。

原作とはまた違った視点で描かれています。
実は、当日の放送を大きいテレビで観ようと買い換えました(笑)。
いち視聴者として、とても楽しみにしています。

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視聴者にメッセージを。

「日本人は、志や夢を持てる国民である」と知っていただけたらと思います。
会社などでは、がんばっている人はたくさんいらっしゃるのでしょうけれども、また、今は成果を問題にしますから、夢や志を持てば、何をしてでもそれを達成すればいいのだという感じもうけます。本当の志というのは、成果ではないんです。
黒田官兵衛にも、天下を獲りたいという気持ちはあったんでしょうけど、そこまではやらないところが、今と違う。官兵衛の本当の志、日本人の持つ清潔感は何かというところを、知っていただきたいですね。

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