インタビュー
竹中半兵衛役 山本耕史さん

9月初旬にクランクインされて約一ヶ月半、すべてを演じきった今の気持ちは?
長い期間をかけて撮影しているので、最初のほうに撮ったシーンが、何年も前のことのような錯覚に陥るぐらい、昔の思い出のように残っています。
半兵衛が生きたリアルな年月に近いと思えるぐらいの感覚になっていくのがとても不思議で、まるで半兵衛の半生を生きることができたように感じています。
半兵衛を演じるうえでこだわった部分、
映像を通して強く表現したいと思った部分は?
官兵衛と半兵衛が対照的な存在であったほうが見ている人も飽きずにいられるなということは一貫して思っていました。
克典さんが今回描かれている官兵衛像をとっても“らしく”演じてくださっていて、この人の横になら、僕がどのようにしていても“半兵衛”として居られるという安心感があったので、自分自身が特にどういうふうにしようかと思ったことはなく、二人のバランスを大切にしました。
ひとつ言えることは、半兵衛は若くして亡くなってしまうので、断たれてしまう未来を見据えいているような心の大きさを、どのように表現したら良いかなということは気を付けて演じていました。
黒田官兵衛役の高橋克典さんと共演された感想は?
今回初めて克典さんとご一緒させていただきましたが、とても真っすぐな方です。
克典さんが時代劇初挑戦というのは意外でしたが、何本か時代劇は経験しているものの、一回りも年下の僕に、「ここはこんなふうに演じたらいいかな?」と、聞いてくれたりするんです。克典さんのように仕事にまっすぐに取り組むと、色々な人の話を吸収できるんだなと感じましたし、それは克典さんの才能だと思います。
若い時代から年をとって重厚になっていく官兵衛を、克典さんは丁寧に見事に演じ分けていらっしゃったので、共演させていただけて本当に良かったです。

西田さんと共演された感想は?
何度か共演させていただいていますが、これほど近い関係性で演じたのは初めてでした。
西田さんはこれまで数々の役を演じられてきて、色々なことを熟知されている役者さんなわけですけど、一言のセリフの中にも「こんなに色々なことが隠れているんだ」と発見させてくれる、そしてそれを表現して僕たちに見せてくれる方です。柔軟な心と表現力を持っていらっしゃる、他にはいない役者さんですよね。
西田さんの演技を見ていると、ワクワクもするし、ハラハラもするし、感動もする。こちらにそれを感じ取る力があれば、色々なことを感じさせてくれる方なので、とても勉強になります。
山本さんが感じる時代劇の魅力、また、現代劇にはない時代劇の良さとは?
時代劇には、時代考証や所作、殺陣など、撮影に入る前にきっちり分かっておいたほうが良いことがたくさんあるんですが、いざ撮影に入ってしまうと、現代劇よりも自由だと僕は思っているんです。
書籍や写真は残っているかもしれませんが、その時代を生きた人は、今、ここにいないわけですから。
時代劇こそ、自分のアイディアと想像をいくら膨らませても、リアリティを表現できる場だと思うんです。逆に現代劇は演じる側も見る側も今を生きている人達なわけで、「こんなことやらないよ、こんな言葉づかいしないでしょ」って。
お芝居ってある意味全部ウソなので、その作り物をいかにして本物のように見せられるかという部分が役者の一番の仕事だと思うんです。そういう意味からすると、時代劇という場所は役者にとって、とても自由な場所なんですよね。
複数の作品の撮影期間・役作りが重なってしまった時の
演じ分け、切り替え方法は?
ある程度没頭しなければできない作品と、ラフに演じたほうが自然に流れる作品とがあるので、そのバランスを保つことでしょうか。
舞台とテレビの仕事が重なったことはありますが、舞台はまた全然違うので、そういった意味では、これまでも特に問題はなかったですね。
「大変だったな」という記憶があまりないので、自分の中でうまいことできているんだと思います。
役に入り込み過ぎて、なかなか抜けられない方もいらっしゃると思うんですけど、映像の場合は特に瞬発力が大事な時が多いように感じます。

赤羽監督が指揮を執る撮影現場の雰囲気は?
とっても良い雰囲気でした。
初めて時代劇を撮るとなると普通は構えてしまいがちだと思うんですが、所作など分からない部分があれば、周りのスタッフを信頼して相談しながら柔軟に進めているし、こだわりのある部分は、ちゃんと自分の意見を通されているし。
何より、人間の心情の部分を特に大切にしながら撮影されています。
そして、とにかく早いです!限られた集中力を最大限に向けることができるので、役者としては本当にやりやすいです。
穏やかな方なので、現場の雰囲気がピリピリすることもなく、程良い緊張感の中で、自由に心を動かせる状態で撮影に臨ませてくれる素敵な監督です。
放送を楽しみにしている視聴者に向けて、
注目してほしいシーンや、見どころを!
7時間という長い時間ですが、全部見終わったあとには、7時間分の何かがきっと心に残ると思います。
僕も皆さんと同じように、一視聴者としてこの作品を見たいと思っていますので、どうぞ楽しみにしていてください!