ストーリー  

ソックス、忘れないよ。あの日、交わした10の約束
北海道の函館で暮らす14歳の斉藤あかり(福田麻由子)は、大学病院に勤める父・祐市(豊川悦司)と母・芙美子(高島礼子)のおおらかな愛情に包まれて、楽しい毎日をおくっていた。あかりに不満があるとすれば、優秀な医師として将来を期待されている父が忙しく、あかりと顔を合わせる時間すら取れないことくらいだった。

 ある日、いつも元気で明るかった母が、体調を崩して入院してしまう。心配と淋しさで胸を痛めていたあかりのもとに、一匹の子犬が迷い込む。あかりは子犬を連れて母を見舞い、飼うことを許してもらう。前足の片方だけが靴下を履いたように白いゴールデン・レトリーバーに、母の提案で“ソックス”と名付けるあかり。母は、犬を飼うときは「10の約束」をしなければならないと教えてくれる。それは、犬が飼い主にしてほしい、10のお願い事だった。

 春の終わりに一時退院し、家族に囲まれて満開の桜を楽しんだ母は、自分が夏まで生きられないことを知っていた。突然の別れにショックを受けたあかりの心は、思わぬ形で悲しみを表現する。首が曲がらなくなってしまったのだ。その頃あかりは、ソックスがやって来た真相を知る。母があかりのために近所のおじさんから譲り受けてくれたのだ。名医のはずの父に代わって、あかりの首を治してくれたのは、そんな“母の形見”のソックスだった。ソックスがそばにいるだけで、悲しみで冷たくなった心が、ゆっくりと温まっていく──ソックスには、そんな不思議な力があった。クラシックのギタリストを目指している、同級生の星進(佐藤祥太)の素直で純粋な優しさも、あかりを慰めてくれた。やがて、あかりのため、大学病院を辞め、函館の家を買い戻して開業医となった父は、少しずつ家事を覚え始める。父と娘、そしてソックスは、やっとひとつの家族になれたのだ。

──それから7年、22歳になったあかり(田中麗奈)は、大学の獣医学部に通っていた。ソックスは斉藤医院の「あっち向いて、ホイ」が得意な看板犬として、すっかり近所の人気者になっている。ある日、あかりはギタリストになる夢をかなえて海外留学から帰国した進(加瀬亮)と数年ぶりに再会する。懐かしい面影に惹かれあい、2人はあっという間に恋におちた。
やがて、大学を卒業したあかりは、子供の頃から憧れていた旭川市の旭山動物園に就職する。やりがいのある仕事、初めての独り暮らし、進との恋──充実した毎日を送るあかりが、ソックスと過ごす時間は、ほとんどなくなってしまっていた。そんな時、進の身に思いがけない事件がふりかかり……。

 

 

2008年3月感動のロードショー