新人の頃から現場に就ける場所で働きたい
小学校の時、ケビン・コスナーが主演・監督・製作した映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』のメイキングを観て「スゴイな、楽しそうだな、こんな人が世の中にいるんだ」と映像を作る仕事に憧れを抱きました。大学時代はサークルでストリートダンスに明け暮れつつも、1年生の時にニューヨークフィルムアカデミーに短期留学をしたり、マスコミ系のゼミに所属だけはしていました。3年生の時には、NHKの国際分室で映像翻訳のアルバイトをしていたのですが、その時にアメリカ同時多発テロ事件があり、海外から次々と入ってくる映像を観て、人に訴えかける素材(映像)の強さを実感。就職先には、映画会社、広告代理店、テレビ局を考えましたが、とにかく新人の頃から「現場に就きたい」という想いがあったので可能性が高そうなテレビ局を選び、縁あってテレビ東京に入社しました。
経験を重ね、新しい企画へつなげる
『ペット大集合!ポチたま』、『ハローモーニング』でADを経験し、2年目に『Melodix!』でディレクター業を勉強し始めました。3年目、三宅裕司さんと武田鉄矢さんが司会の『奥さまは外国人』は、私が一番成長した番組だったなと思います。『田舎に泊まろう』をやっていた外部の制作会社の方が総合演出をされていて、そのチームにディレクターとして入り、色々な経験をさせてもらいました。その後、『ありえへん∞世界』では、自分一人で“ありえへん人”を撮りに行き、編集をしていたのですが、編集ソフトとカメラ一台があれば番組が作れちゃうんだというフットワークの軽さ、手作りの楽しさを体験しました。その頃、入社6年目にして初めての企画『極嬢ヂカラ』が通り、すごく良い結果が出たので自分の励みになりましたね。初めて連続ドラマをプロデュースした『アラサーちゃん』は今までバラエティー番組で得た知識や経験を活かして作ることができました。
出産後も温かく迎えてくれた制作現場
制作現場で女性が働きづらいのでは?と思われる事も多いですが、むしろ女性だからプラスに作用することも多くあります。例えば、グルメを撮る時に料理の工程を理解している方がスムーズだし、取材対象者に安心してもらえたり、『アラサーちゃん』で女優さんへ突っ込んだ演出ができたのも女同士だったからだと思います。私は『極嬢ヂカラ』の途中で出産を経験しました。前例がなかったので産休後に上手く復帰できるかなという不安もありましたが、みんな温かく迎えてくれたし、家族も協力してくれているので子育てに奮闘しながらも働くことができています。感謝、感謝ですね。でも、そうじゃないと日本の人口は減るし、テレビを見る人も減っちゃうから、出産は良いことなんだけど、女性はスタートダッシュの時に人一倍頑張っておくという意識を持つといいかと思います。
世の中をより良く変えていける番組を作りたい
ジャンルや枠にとらわれずに何年か後にもインパクトを残せる作品を作っていきたいと思います。以前やっていた『大竹まことの金曜オトナイト』(BSジャパン)では特集VTRとして突っ込んだことをやっていて、危険ドラッグの話題では少年院や薬物中毒者の施設に取材に行くこともあります。情報は流れて行くものですが、観た人の心のどこかに強い印象を残すことができれば、誘惑があっても断る力や、誰かに良くないことだと言える勇気を持ってもらえるかもしれません。そうした、世の中がより良くなるためにパンチを効かせた番組だったり、ステレオタイプではない社会に変えていけるような番組ができたら嬉しいですね。また、子どもがいる自分ならではの目線で何か生み出せたらいいなと思っています。
弱い者に優しい人がメディアを担うべき
制作局は、仕事だけど半分プライベートが入っている感じで、楽しさや面白さを追求している人が多くいます。肉食のオラオラ系、文化系、サブカル系の人などそれぞれカラーは違いますが、みんな芯の部分は燃えています。色々な人とコミュニケーションができるということは大前提としてありますが、あとは特別天才だったり、奇抜であることよりも、弱い者に優しくある人、強い者に文句を言うことを恐れない人、多様性を楽しもう、認めようと思える人に入ってきて欲しいですね。メディアは強いものであるからこそ、担う人はそういう一面を持つべきだと思います。
プロフィール
2003年入社/総合職採用
『奥さまは外国人』『ありえへん∞世界』『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』等の番組でディレクターとしての経験を積み、『極嬢ヂカラ』やドラマ『アラサーちゃん 無修正』で演出・プロデュースを手がける。現在は『昼めし旅~あなたのご飯見せてください~』『ソレダメ!~あなたの常識は非常識!?~』『ドラマ25 インベスターZ』、年末の『東急ジルベスターコンサート』等、ジャンルを問わず数多くの番組を担当。2016年には初映画監督作品として『ぼくが命をいただいた3日間』が公開された。
仕事の逸品
身だしなみセット
制作の人間は現場にも行くし、きちんとした場所に行くこともあります。徹夜をしても何をしていても、汚い人間と会うのは皆さん嫌だと思うので、歯磨きセットや粘着クリーナー、リップクリームなどの身だしなみ用品はいつも鞄の中に常備しています。
『アラサーちゃん 無修正』DVD
プロデューサーと全体の演出を担当した『アラサーちゃん 無修正』のDVD。
ある1日の仕事の流れ
- 9:30~
- メールチェック・返信
- 10:00~12:00
- 番組構成会議
- 12:00~12:30
- ランチ
- 12:30~15:00
- プレビュー(編集チェック)
- 15:00~20:30
- 技術打ち合わせ、リハーサル、出演者打ち合わせ
収録
- 20:30
- 反省会後、スタッフや出演者と軽くご飯、帰宅
(子供のお迎えの日は18:00に帰社)
担当番組
オフショット
2012年9月まで放送していた
「極嬢ヂカラ」の最後の収録日!
YOUさん、大橋アナと
スタッフの皆と記念に
ドラマ「アラサーちゃん」の
ロケ現場にて
元々息子に作った手作りのくま
「ぱっちゃん」が、なんとドラマに登場!グッズにまでなっちゃいました(笑)