KIRIN~美の巨人たち~

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岡本太郎「明日の神話」

日本が生んだ20世紀の巨人、芸術家の岡本太郎。彼の生い立ちは複雑なものでした。太郎の母は小説家の岡本かの子、父は一世を風靡した漫画家・岡本一平。母は小説を書くために幼い太郎を柱に縛りつけ、父は母の愛人である若い男と同居することを認めるような人でした。そんな太郎が両親の欧州旅行に同行したのは18歳の時。上野の美術学校に通っていた太郎は旅先のパリにそのまま残り、留学。
しかしパリに住んでからの3年間は、既成の表現に満足出来ない自意識や、自分に対する高い要求に縛られていたために絵が描けずにいました。そんな時、彼を救ったのが偶然画廊で見たピカソの静物画。ピカソに共鳴した太郎はその後、パリ万国博覧会であの『ゲルニカ』に出合いさらに強く衝撃を受けます。
そして圧倒的なピカソの絵に傾倒しながらも、ピカソを乗り越えようと自らの絵画に挑み始めました。

太郎がメキシコの実業家から、今日の一枚の制作依頼を受けたのは1967年のことでした。 メキシコに渡った太郎はこの作品を制作するにあたり、当初から明確なビジョンを持って描き始めました。テーマとなったのは【第5福竜丸事件】。1954年にアメリカの水爆実験に巻き込まれて被爆した日本のマグロ延縄漁船“第5福竜丸”の悲劇。原子爆弾という凶悪な核兵器に太郎の創作意欲は激しく燃え、全身をぶつけて描いた作品、それが『明日の神話』でした。

太郎は『明日の神話』を制作しながら、別の作品にも取り組んでいました。それは大阪万国博覧会・テーマ館のシンボルとして建てられた『太陽の塔』。この2つの作品は、太郎の手により同じ年に誕生しました。メキシコと日本で全く同じ時期に制作された2つの記念碑。 あたかも双子の存在であるかのように、これらはその後ある一つの奇跡を巻き起こしていくことになります。2つの記念碑が辿った運命的な奇跡とは?

今日の一枚、『明日の神話』。この壁画の中心に描かれているのはガイコツ。さらに悪夢のように襲いかかるキノコ雲、灼熱にさらされ逃げ惑い燃え上がる人々の行列も見えます。 手を伸ばし広がってゆく原色の炎。そして何も知らずにマグロをとっている第5福竜丸。 全長30メートルもの巨大なスケールでコンクリートパネルに描かれたこの作品。何故こんなに大きくなければならなかったのか?そこには、太郎が叫び続けた明日へのメッセージが託されているのです。

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